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中国のワクチンに米国の専門家は懐疑的

by 黒岩留衣
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今日は毎日新聞に記載された記事から引用を始めます。

毎日新聞の5月23日の記事からです。

 

 開発中の新型コロナウイルスワクチンを臨床試験で人に投与し、感染を防ぐための抗体ができたのを確認したと、中国軍事科学院の医療部門などのチームが22日、英医学誌ランセットに発表した。

 世界で最初に臨床試験を始めたワクチンで、安全性を調べる第1相試験の結果。半数の人に接種部位の痛みや発熱などがみられたが、チームは全体として安全性に深刻な問題はないと判断。有効性をさらに確かめる第2相試験を開始した。

 中国・武漢で健康な108人を三つのグループに分けて異なる量を注射。4週間後に接種量が多いグループの75%、それ以外では50%で抗体が増えていた。(共同)

 

https://mainichi.jp/articles/20200523/k00/00m/030/137000c

 

この記事を読むだけなら、中国のワクチン開発が順調に進んでいるかのような印象を受けます。

ところがCNNに、この中国製ワクチンの安全性に疑問を呈するような記事が掲載されていました。

以下、CNNからの引用です。

 

金曜日、中国の研究者らは、中国で最初のCovid-19ワクチン試験の結果を報告したが、アメリカの専門家は彼らの調査結果に懐疑的であり、研究継続を諦めることを提案すると述べた。

 

中国企業が共同開発したワクチン “Ad5-nCoV”

権威ある医学雑誌「ランセット」に発表された報告によれば、中国の研究者はワクチンが良好な忍容性および新型コロナウイルスに対する免疫応答を獲得したと報告した。

 

CanSino Biological Inc.と北京バイオテクノロジー研究所によって開発されたワクチンは、パンデミックの最初の感染中心地である中国の武漢で、18歳から60歳の健康で感染していない108人の成人でテストされた。

参加者はそれぞれ36人のグループに分けられ、全員が低用量、中用量、または高用量で注射を受け、結果「深刻な」副作用は報告されなかったと研究者らは述べた。

 

それでも、ワクチン接種者のほぼ半数が発熱を報告し、44%が疲労を報告し、39%が頭痛を報告した。
全体として、患者の9%が「身の回りの日常生活動作を妨げる」可能性があるほどに深刻な副作用を報告した。

フィラデルフィアにある小児病院のワクチン教育センター所長のポール・オフィット博士は、こうした副作用の報告に対して「とても安全なサインであるとは思えない」と語った。

 

彼はまた、ワクチンが強い免疫反応を誘発しなかった可能性について示唆した。
実際には「低」線量でさえ、非常に高かったのではないかとオフィット博士は言った。

「私は、率直にこのワクチン開発の報告データに手応えを感じておらず、開発継続を諦めることを提案します」
「少なくとも、これより優れたワクチンが開発されるだろうと信じています」

 

https://edition.cnn.com/world/live-news/coronavirus-pandemic-05-24-20-intl/h_f17bbcdb96d4a7ca944f3cae35908ccf

 

 

なんか、怖いことを言ってるような気がして調べてみました。

ランセットのホームページの中の該当する報告はこちらです。

確かに「全体の9パーセント(10人/108人)がグレード3のレベルで」なんらかの副作用を訴えていました。

 

ところで、副作用のグレード3って何?と思うでしょう?

これも調べてみました。(参照元:こちら

 

  • Grade 1 軽症; 症状がない, または軽度の症状がある; 臨床所見または検査所見のみ; 治療を要さない
  • Grade 2 中等症; 最小限/局所的/非侵襲的治療を要する; 年齢相応の身の回り以外の日常生活動作の制限
  • Grade 3 重症または医学的に重大であるが, ただちに生命を脅かすものではない; 入院または入院期間の延長を要する; 活動不能/動作不能; 身の回りの日常生活動作の制限*
  • Grade 4 生命を脅かす; 緊急処置を要する
  • Grade 5 死亡

 

*)身の回りの日常生活活動の制限とは、具体的には

  • 着衣・脱衣が自力でできない
  • 自力で食事が取れない
  • 自力でトイレに行けない
  • 自力で薬剤を摂取できない

という状態を言うそうです。(参照元、同上)

 

つまり、中国製のワクチンを投与された約1割の人はなんらかの重大な副作用を報告したことになります。

これで安全性が確認されたと言うべきなんでしょうか?

 

 

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