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梅雨入りしました

by 黒岩留衣
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連日、うんざりするほどの暑さが続いたあと、九州地方では梅雨入りしました。

暑い日は「雨でも降ればなあ」と思いながら恨めしく青空を睨みつけていたものですが、雨が続くと「どうして雨の日を待ち望んだのだろう?」と自分の正気を疑ってしまうのだから、人はわがままなものです。

 

ところで、どうして梅雨は「梅雨」と書くのでしょう?

とっくに梅の季節は終わっているのに?

そんな疑問をふっと思いついて調べてみることにしました。

 

梅雨、つまり「梅の雨」とかいて「つゆ」と読むわけですが、これはどうやら中国に由来しているそうです。

梅雨はもともと中国では「黴雨(ばいう)」として伝わったそうです。

つまり「黴(かび)の雨」という意味で「黴雨(ばいう)」と読んだらしいのです。

 

確かに梅雨はカビの季節ではありますよね。

 

なぜ「黴雨」が「梅雨」に置き換えられたかというと、中国の揚子江の周辺では梅の実が熟して収穫できるようになるのがこの季節だったからという説と、単に「黴の雨」では語幹が良くないからという説とがあるそうです。

 

また、本来は「ばいう」と読んでいた発音が「つゆ」と発音されるようになったのは、江戸時代の頃からだそうで、この時期特有の細かな雨が滴となって木々から濡れ落ちる姿が「露」を連想させたことから「つゆ」と読むようになったと伝わっています。

日本人特有の情緒ですよね。

 

先日、時事通信で梅の話題が出ていたので、ちょっとご紹介します。

 

梅は中国から平安期ころに日本に渡来した。「梅=日本」の印象が強いのか、梅の英語名は「Japanese Apricot」だ。

「望梅止渇(ぼうばいしかつ)」との言葉がある。

中国魏の曹操が兵士たちに、「あの山を越えれば梅林があるぞ」と励ました、との故事に由来する。

豊臣秀吉にも同様のエピソードが残る。

梅酢は古来、塩とともに不可欠な基本調味料となり、味加減を意味する塩梅(あんばい)という言葉も生まれた。

それほど日本の食生活に溶け込んだ梅や梅干しだが、梅干しの消費量は近年伸び悩んでいる。

シェア25%と全国一の梅生産地である和歌山県みなべ町の林秀行うめ課長(全国で唯一の「うめ課」である)によると、1世帯当たりの年間梅干し購入量は2002年の1053グラムから、08年には778グラムに減少した。

 

林課長は「梅干しの消費を伸ばすには若年層の取り込みが不可欠」と力を込めて語った。

 

参考:時事通信

 

梅って中国から伝わったらしいのですが、中国では日本ほど消費されていないそうで、ちょっと意外な気がします。

 

余談ですが、地元に働きに来ているベトナム人の若者がいまして、去年のちょうどこの時期に近所の酒屋の店先で袋に詰められた梅の実を買っているところに出会しました。

ベトナムにも梅酒があるのかな?と思って訊ねたところ、丸かじりすると美味しいのだとか…

びっくりしました。

 

青々とした梅の実には毒があるので生で食べてはいけないと教えられてきた私は、彼の差し出した梅の実を丁寧に断るのにちょっと苦労した思い出があります。

 

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