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今永昇太、2026年もカブス残留

by 黒岩留衣
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【シアトル・マリナーズ】
 ショウタ、ウッドラフ、トーレス――これって、同じ年にQO(クオリファイング・オファー)受けた人数として、もう史上最多じゃない?

 編集:グリシャムも入れて4人とか、マジかよ。


【ミルウォーキー・ブルワーズ】
 2027年以降がどうなるか全然読めない状況だから、選手側としては「長期&デカい保証」をまず狙う。
 それが取れないなら、「太い1年契約」を取るのが次善策って感じだと思う。


【トロント・ブルージェイズ】
 ロックアウト懸念があるのと、「本来ならQO出すレベルじゃない選手」にまでちょっと欲張ってQO付け始めたのが合わさった結果だな。


【名無し】
 ロックアウトが濃厚って状況で、こんなにQO受ける選手が多いのは正直びっくりしてる。
 延長契約を狙ってるのかもしれないけど。


【ニューヨーク・ヤンキース】
 たぶん「新しいCBAで契約水準が上がる」って読みをしてるか、選手会がそう思わせてるか、どっちかだろうな。


【サンフランシスコ・ジャイアンツ】
 ウッドラフ欲しかったんだよなぁ……。


【ニューヨーク・メッツ】
 QOってFAの平均契約額ベースで決まるから、金額が上がれば上がるほど、受ける選手は増えると思う。
 今永やグリシャムみたいなタイプは、年2200万ドルを断るのは難しいし、チーム側としても1年限定で持てるなら歓迎っていう選手像だしね。


【シカゴ・カブス】
 契約の構造が変態的にややこしいってのをちゃんと理解したら、「まあこうなるよな」って話に見えてきたわ。


【ニューヨーク・ヤンキース】
 誰か詳しく説明してくれない?
 チーム側がオプションを行使すると延長年数が全部発動する仕組みで、それを避けるためにチームはオプションを使わなかった。
 なのにQOは出して、それを今永が受けた……というところまでは分かってるんだけど。


【シンシナティ・レッズ】
 ざっくり言うと、カブスが今年のチームオプションを行使したら、その時点で残りのオプション全部(2028年まで)が一気に有効になっちゃう契約だった。
 だから今回は、それを避けて「1年だけ」の契約形態を選んだって話。


【ニューヨーク・ヤンキース】
 つまり、カブスとしては「ここで1年にするか、あと3年まとめて保証するか」を選ぶタイミングで、「3年はさすがに重い」って判断した、ってこと?


【シカゴ・カブス】
 そう。彼はもう33歳で、先行きが不透明だからね(これ俺の新しいバンド名な)。


【シアトル・マリナーズ】
 そのタイトル、自叙伝のタイトルにも良さそうなんだが。


【名無し】
 なんで車に自叙伝が必要なんだよ。


【セントルイス・カージナルス】
 クソッ、自分の自叙伝のタイトルを「41歳と不確実性、そして諦め」にしようと思ってたのに。


【シカゴ・カブス】
 あと、3年契約を選んだ場合はフルのトレード拒否権が付く。
 シーズン終盤の状態を見ると、それはリスク高すぎるって判断も妥当だと思う。


【ニューヨーク・ヤンキース】
 なるほど。
 じゃあ「年俸を抑えたい」「長期では縛られたくない」っていう球団側の意図と、今回の選択は筋が通るってことか。


【フィラデルフィア・フィリーズ】
 33歳の投手なら、ほとんどのチームは3年より1年を選ぶよね、って話でもある。


【名無し】
 いや、もうちょっと複雑。
 根本的には、今年チーム側にあったオプションは「残り3年全部を保証する」かどうかだけ。
 カブスはそれを行使しなかったから、今永のプレイヤーオプションが発動してFAになった。

 そこにカブスがQOを付けた。これは元の契約とはまったく別物で、単に「1年2200万ドルでどう?」ってオファー。
 もし今永がQOを断って他球団と契約すれば、カブスはドラフト指名権の補償がもらえた。
 でも今永は「もういいや、今年はこの金額で行くわ」と受けた。

 正直、カブス側は彼にQOを断ってほしかったと思う。
 フロントは、2026年以降に確定している契約を極力ゼロに近づけようとしてる節がある(今のところスワンソンくらいしか残ってない)。


【シカゴ・カブス】
 その意見は、他のカブスファンの一部と同じく、ちょっと極端に感じるな。
 球団はPCA(ピート・クロウ=アームストロング)に対して、すでに複数年・大型の延長オファーを出してて、今は条件の微調整をしている段階だと言われている。
 2026年で契約が切れる組とも延長交渉を進めているって球団側は公言してるし。

 「2026年で一気に契約が切れるようにしている」のは、数年前に大幅なロースター再編をした結果であって、「延長をしたくない」わけじゃない。
 ロックアウト中は年俸支払いも止まるから、ロックアウトを理由に長期契約を嫌がる動機はほぼない。

 今永に3年オプションを使わなかった理由は、単純にAAVがQOより高いからだと思う。
 今年の終盤の状態を見れば、QO以上の額を市場で引き出すのは厳しいと読んだんだろう。
 これで彼は1年しっかり投げて評価を戻せれば、ロックアウト前に長期契約を勝ち取れるチャンスもある。

 ホーナー、ブッシュあたりにも多分しっかりした延長オファーを出すはずだし、PCAが組織の未来だってのも明らか。
 だから「長期契約を一切持ちたくない」って話では全然ないよ。
 落ち着けって。


【名無し】
 こいつ、「お前は間違ってる」から入りつつ長文書いて、PCAへのオファーが侮辱レベルじゃなかったふりして、最後を「落ち着け」で締めるのか。すげぇな。

 ほぼ全部、契約や市場の仕組みを分かってない前提の話に見えるわ。


【シカゴ・カブス】
 「2026年以降に保証契約を残さないようにしてる」のがポイントなんだよ。
 QOは2026年シーズン分しか乗らないから、その点とは関係ない。

 むしろカブス側は今永にQOを受けてほしかったと思う。
 これでタイヨンをトレードで出しても先発の枚数を確保できるし、スティールの復帰が遅れてもローテを回せる。
 もし今永が2024年レベルに戻れば、2番手クラスを相場以下でキープできる。


【ロサンゼルス・エンゼルス】
 単純に「今永本人がカブスに残りたかった」ってだけじゃないのかな。


【シカゴ・カブス】
 アメリカに来た時も、シカゴが大好きでジェド(GM)にほとんど懇願するように「カブスに入りたい」って言ってたくらいだしね。
 イタリアンビーフとディープディッシュピザがよっぽど気に入ってるんだろう。


【カブス/ルー・ゲーリッグ】
 元の契約は4年5200万ドル(残り2年はそれぞれ1400万ドル+サイヤング投票次第で昇給)。

 で、2年目終了後にカブス側のオプションがあって、行使すると年200万ドルアップ+1年追加。
 オプションを行使しない場合、今永には元の4年5200万に戻すプレイヤーオプションがあった(保険用)。

 彼は「自分は年1400万ドル×2年以上の価値がある」と見てプレイヤーオプションを蹴り、FAへ。
 そこでカブスがQOを付けたから、市場での評価がちょっと冷えて、最終的に「1年2200万ドルで実績作り→来年改めてFA」のルートを選んだ、って流れ。


【シカゴ・カブス】
 この動き、フロントとしてはかなり上手いよ。

 もし今永を失ってたら、ローテ再構築のために先発を2人くらい外部から取りに行く必要が出て、その分長期契約が増えてた。
 それに、日本人選手のルート(今後のNPB→MLBパイプライン)にも悪影響だったかもしれない。

 オプションを使ってたら、実質3年6600万ドル(年2200万ドル相当)+フルのトレード拒否権。
 終盤のパフォーマンスと球速の落ち方を考えると、リスクの方が大きく見えた。

 でもまだ「守備の良いチーム」「ウィグリーの風向き」がハマるタイプでもある。
 あとは今井にカブス入りを勧めてくれれば、
 ホートン-今井-ボイド-今永-タイヨン
 みたいなローテが実現してかなり面白くなる。


【シカゴ・カブス】
 スティールも戻ってくるしね。
 あのレベルに戻れればなおさら。


【シカゴ・カブス】
 そうそう。シーズン後半に今永がまた失速し始めたとしても、その頃にはスティールが本来の姿に戻っていて欲しい。
 投手層が厚くなるのは本当にありがたい。


【アトランタ・ブレーブス/オリックス】
 これ、今永とカブス双方にとってウィンウィンだと思うのは自分だけかな?


【シカゴ・カブス】
 今永は年俸アップを手に入れるし、もしロックアウトが起きたら日本でプレーする選択肢も残る。
 契約に縛られて「どこでも投げられない」状態にはならない。


【アトランタ・ブレーブス/オリックス】
 ロックアウトにならなければ、2026年を“見せ場の年”にして、33歳でQOなしの完全FAに出られる。
 カブスがオプションを行使してたら36歳まで縛られてたかもしれないことを考えると、彼にとっても悪くない博打だよね。


【シカゴ・カブス】
 シーズン終盤は多分ハムストリングをぶり返してたんじゃないかなって思ってる。
 今オフでしっかり治療とトレーニングができれば、来季はコンディション整えた状態で入れるはず。


【ミルウォーキー・ブルワーズ/マディソン・マラーダーズ】
 現実的にはあり得ないけど、ロックアウト中にNPBでプレーすることってルール上は技術的に可能なんだよね。


【ボストン・レッドソックス】
 今オフの先発市場、シーズ、スアレス、キング、バルデスを30球団で奪い合い、その後は一気に層が薄くなる。
 しかもローテ丸ごと作り直しレベルのチームが3~4球団ある。


【名無し】
 ビーバーが市場から消えたのも拍車をかけてるよな。


【ボストン・レッドソックス】
 ジャイアンツはウェブとレイ以外ほぼ何もない。
 Dバックスとパドレスも、主力以外はごっそり抜けた。
 メッツはローテの軸を取りにいくはずだし、オリオールズも先発補強が必要。
アストロズもブラウン以外「これ」といえる先発がいない。

 これ全部「今勝ちたい側」の話だからね。
 ナッツ、カージナルス、A’sみたいに「再建スタートラインにすら立ってない」チームは除外してもこれ。


【サンディエゴ・パドレス】
 パドレスはマスグローブが戻ってくるし、メイソン・ミラーを先発にコンバートしようとしてるから、「一人だけ」ってほどではない。
 それでも当然、枚数はまだ足りないけど。


【ロサンゼルス・ドジャース】
 メリール・ケリーは37歳とはいえ、少なくとも2026年単年だけで見ればマイケル・キングとそこまで差はないと思う。
 1年前までザック・ギャレンは「今オフ最大の目玉FAの一人」扱いだったしね。

 あと、今井達也の契約額にみんなビビることになると思うよ。


【ニューヨーク・メッツ】
 「30球団が~」とか言うけど、実際は本気で勝ちに行ってるのは15球団前後、その中でちゃんと金を使う気があるのは8~10球団ってところだろ。


【シカゴ・カブス】
 今オフは「チームへの忠誠」ムードが強い気がするわ。


【シカゴ・カブス】
 ロックアウトやストライキへの不安を考えたら、そりゃそうなるよね。


【ロサンゼルス・エンゼルス】
 なんだよこれ。


【シカゴ・カブス】
 これが一番あり得そうな結末だったと思うよ。
 年2200万ドルって、複数年契約を取ったとしても1年あたりで見ればそれ以上にはなりにくい額だし、現実的に2~3年契約くらいしか望めなかったはず。

 これなら2200万ドルもらいながら価値を立て直して、来オフはQOなしでFAになれる。


【ニューヨーク・メッツ】
 他のNPB出身先発が一斉にポスティングされそうな状況も踏まえると、今永にとって市場はそこまで良くなかった。
 もし本当に総額6000万ドル以上のオファーが市場にあるなら、カブスは3年オプションを蹴ってないと思う。


【シカゴ・カブス】
 そうそう。
 本人も「健康な姿に戻れるなら、1年2200万で自分の価値を証明できるなら全然OK」って感じだと思う。


【サンディエゴ・パドレス】
 これって、もともとそうなるって皆言ってなかった?
 3つくらいのポッドキャストで「QO受けるだろう」って話してた気がする。


【ロサンゼルス・エンゼルス】
 そうなんだけど、「俺はあいつらよりベースボール知ってる」って思ってるからね。


【マイアミ・マーリンズ】
 公認「ボールのことは全部分かってる男」が、マイク・イマナガ2世の情報量の少なさに動揺している図。


【ボストン・レッドソックス/シアトル・マリナーズ】
 そもそも日本人が野球の何を知っているというのか?(皮肉)


【ニューヨーク・ヤンキース】
 で、マイク・イマナガの方はどうなったんだよ?


【シカゴ・カブス】
 超ビッグニュースだわ。


【カブス/ルー・ゲーリッグ】
 よっしゃああ。


【シカゴ・カブス/ボストン・レッドソックス】
 マイクが残ってくれてほんと嬉しい!


【シカゴ・カブス】
 うぉー!
 カブスファンの中には、無理やり「実は微妙だった」ってことにして手放そうとしてた人も多かったけど、俺は今永大好きだから残留してくれて本当に嬉しい。
 あとは被弾の多さだけなんとかしたい。
 あの2か月くらいを除けば、ずっと素晴らしい先発だったんだから。


【アンパイア】
 前のスレだと、カブスファンの99%が「もう出て行っていい」みたいなノリだったぞ。
 むちゃくちゃ叩かれてた。あそこまで悪くなかったのに。


【シカゴ・カブス】
 ケガから戻ってきてからはホームランをかなり打たれたし、ポストシーズンでも燃えたから、手のひら返しは仕方ない部分もある。
 でもここ2年の先発陣で見れば、一番計算できた投手の一人だったのを忘れてる人も多い。


【シカゴ・ホワイトソックス】
 チーム全体がシーズン終盤グダグダで終わったから、その一端を担った彼への怒りも混ざってるんだろうね。
 試合直後のリアクションなんて基本的に極端になるものだし。


【シカゴ・カブス】
 懸念があるのは事実だし、3年オプションを拾ってたら後悔してた可能性も高いと思う。
 だから今回の1年QO受諾は、双方にとってちょうどいい落とし所だと思うよ。
 今永が立て直せば元の契約より多く稼げるチャンスもあるし、ダメなら日本に戻ってキャリアの締めくくりができる。


【シカゴ・カブス】
 不安要素があるのはもちろんだけど、一部の叩かれ方はさすがに度を越えてたね。


【名無し】
 27年シーズンが丸々飛ぶとして、その間日本でプレーして稼ぐプランなんだと思う。
 26年は昇給、27年はNPBでプレー、それを見越した動きに見える。


【セントルイス・カージナルス】
 でもロックアウト発生時に、今永の立場がちょっと宙ぶらりんになる可能性もあるよね。


【シアトル・マリナーズ】
 今永はかなり上手くカードを切ったと思う。

 元の契約のままだったら、
 ・最低ライン:1年1500万ドル
・最大:プレイヤーオプション2年で合計3000万ドル
 ってレンジだった。

 そこでカブスがQOを出さない可能性もあったし、その場合は市場でそれ以上を目指せた。
 QOを出すなら「1年2200万ドルを受けて、来年FA再挑戦」という保険もできた。

 チームオプションの仕掛けをうまく逆手に取って、「長期拘束を避けつつアップサイドを取りに行った」形になってる。


【ロサンゼルス・ドジャース】
 いっそ全員、そのまま今のチームに残れば良くない?


【アリゾナ・ダイヤモンドバックス】
 「記者じゃないからね」っていう注意書き付きなのがじわる。


【フィラデルフィア・フィリーズ】
 今永がトレント・グリシャムと同じ値段って、冷静に考えると結構すごい話だよな。


【ニューヨーク・ヤンキース】
 正直よく分からないんだけど、そんなに市場評価って悪かったの?


【シカゴ・カブス】
 中堅クラスの先発投手は、QOが付くだけで市場価値がゴリッと削られる。
 お金を払う覚悟はあっても、「指名権まで差し出して取りに行くほどか?」ってところで尻込みされる。


【シカゴ・カブス】
 昨季のK/9は7.28で、平均球速も90マイル台後半に届かないくらいだった。
 カブスみたいに「三振よりゴロ・フライで抑えるタイプ」に慣れてるチームならまだしも、多くの球団にとっては「ストライクゾーンで勝負する32歳の右腕に大金は出しにくい」って印象になる。

 ERAが良くても、「高齢」「三振少ない」「HR多い」って三重苦はなかなか評価されづらい。


【シンシナティ・レッズ】
 ぶっちゃけ去年はそこまで良くなかったよ。
 防御率は見栄えするけど、三振は減ってるし、被本塁打も多い。


【ロサンゼルス・ドジャース】
 フライボールピッチャーだから、ホームランリスクは常につきまとう。
 2024年は1年通して支配的だったけど、2025年は「対策されてきたな」って印象だった。


【フィラデルフィア・フィリーズ】
 ファンが思ってるほど、今永は「完璧なエース」ではないよ。
 33歳だし、後半戦はかなりひどかった。指標的にはもっと悪くてもおかしくなかったレベル。

 QO付きで市場に出ても、複数年という意味では大したオファーにはならなかったはず。


【シカゴ・カブス】
 FIPはあまり良くないタイプだけど、それでもWHIPは1.00を切ってたし、四球が少ないから失点をある程度コントロールできる。
 ハムストリングの回復がパフォーマンスに悪影響を与えてた可能性もあるから、フルオフシーズンで整えたら、前半戦の今永に戻ると球団は読んでるのかも。

 とはいえ、後半戦を見た上で「複数年をポジティブに評価する」のは難しいし、QO付きではせいぜい2年1500万ドルくらいが市場の限界だったんじゃないかな。


【サンディエゴ・パドレス】
 こうなったってことは、32歳で「三振少なくてHR多めで、ドラフト指名権のおまけ付き」という投手の市場が、複数年という意味ではかなり渋かったってことだろうね。
 2~3年保証はあったとしても、総額は今回の2200万ドルを大きく超えなかったと思う。
 しかもコンテンダーじゃないチームになる可能性も高かった。

 今回は「自分を信じてもう一度勝負して、それでもダメなら日本に戻る」っていう、自分なりのきれいな締め方を選んだように見える。

うんちく:今永昇太の契約がなぜこんな動きになったのか

■全体をざっくり一言で言うと

カブスのチームオプションを使うと“3年まとめて”保証しなきゃいけない。

それはリスクが高いから使わなかった。

今永はFAに。

そこで QO(1年2200万ドル)」を受けた。

“長期リスクを避けたいカブス”と“来年もう一度勝負したい今永”が利害一致した。

この流れです。


■1. 今永の元の契約構造(めちゃくちゃ特殊)

MLBでは珍しい「複数のオプションが連動する構造」でした。

●契約の基本

  • 全体は 4年 5200万ドル(14M×2年+保険的なプレイヤーオプション)

  • 2年目終了後に
     カブス側のチームオプション(まとめて数年延長できる権利) があった

●問題のポイント

チームオプションを「行使」すると…
残り3年分(2026~2028)が全部一気に確定する
→ 年平均19.5M前後×3年、総額約5800万ドル分を一括で背負うことになる
→ しかも フルのトレード拒否権つき

つまり

オプションを行使=今永の33〜35歳の3年分をガッツリ保証

になる。

これは、シーズン後半の失速や球速低下を見た球団にとって、かなりリスクが大きい。


■2. カブスが「オプション行使しない」とどうなる?

●カブスが行使しない → 今永にプレイヤーオプションが発動

  • 今永側は
     1年1500万ドル(最低保証)
     または
     2年3000万ドル(プレイヤーオプション)
    を選べた。

しかし今永は 「自分はもっと上の額を市場で取れる」と判断して拒否

こうしてFA(=完全自由契約)になった。


■3. FAになった今永に対して、カブスがQOを出す

ここが大事。

●QO(Qualifying Offer)とは?

FA選手に対して
1年契約(今年は2200万ドル) を提示できる制度。

選手が断って他球団と契約すると、元の所属球団に ドラフト指名権の補償 が入る。

●今永の場合

  • カブスはQOを出した(1年22Mの提示)

  • 今永はこれを 受けた

→ これで2026年の年俸は2200万ドルに確定。

※QOは「元の契約とは完全に無関係」

なので、
元の複雑なオプション構造はすべてリセットされる。


■4. なぜカブスはQOを出したのか?

チームの狙いはこう。


◆A. 3年保証は重すぎるが「1年だけならOK」

33歳の投手に対して

  • 球速低下

  • HR増加

  • 後半戦の悪化

  • ハムストリング再発疑惑
    などを踏まえると

3年まとめて約6000万ドル+NTO(ノートレード権)
はリスクが大きい。

しかし

1年2200万ドル
なら全然許容できる。


◆B. 契約が1年で切れるのは球団にもメリット

  • ローテの厚みを維持

  • スティールの復帰が遅れてもOK

  • タイヨンをトレードで出しやすくなる

  • 来年大活躍したらまた延長交渉すればよい

  • 来年悪くても切れる

つまり

長期のケガ・劣化リスクは避け、
短期の戦力は確保したい。

という「一番おいしいところだけ取る」動き。


■5. なぜ今永もQOを受けたのか?

今永側の利点もかなり大きい。


◆A. 年俸アップ

元の契約なら

  • 2026年は1400〜1500万ドル程度。

QOを受けたことで

  • いきなり2200万ドルにアップ


◆B. 来年FAするとき「QOが二度目はつかない」

MLB規則で、
QOは一人の選手に生涯一度まで。

→ 来年FAになっても、QOの指名権補償がつかない
→ 市場で“重し”が減る

複数年契約を狙いやすい。


◆C. ロックアウト(2027)への対応

2027年はCBA交渉でロックアウトの確率が高いと言われている。

QOを受けて「1年のみ」にしたことで

  • 2027年にMLBが止まっても
     → NPBでプレーできる可能性が残る

(MLB契約があるとロックアウト中は原則プレー不可)

ここを狙ったと言うファンも多い。

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