連日、うんざりするほどの暑さが続いたあと、九州地方では梅雨入りしました。
暑い日は「雨でも降ればなあ」と思いながら恨めしく青空を睨みつけていたものですが、雨が続くと「どうして雨の日を待ち望んだのだろう?」と自分の正気を疑ってしまうのだから、人はわがままなものです。
ところで、どうして梅雨は「梅雨」と書くのでしょう?
とっくに梅の季節は終わっているのに?
そんな疑問をふっと思いついて調べてみることにしました。
梅雨、つまり「梅の雨」とかいて「つゆ」と読むわけですが、これはどうやら中国に由来しているそうです。
梅雨はもともと中国では「黴雨(ばいう)」として伝わったそうです。
つまり「黴(かび)の雨」という意味で「黴雨(ばいう)」と読んだらしいのです。
確かに梅雨はカビの季節ではありますよね。
なぜ「黴雨」が「梅雨」に置き換えられたかというと、中国の揚子江の周辺では梅の実が熟して収穫できるようになるのがこの季節だったからという説と、単に「黴の雨」では語幹が良くないからという説とがあるそうです。
また、本来は「ばいう」と読んでいた発音が「つゆ」と発音されるようになったのは、江戸時代の頃からだそうで、この時期特有の細かな雨が滴となって木々から濡れ落ちる姿が「露」を連想させたことから「つゆ」と読むようになったと伝わっています。
日本人特有の情緒ですよね。
先日、時事通信で梅の話題が出ていたので、ちょっとご紹介します。
梅って中国から伝わったらしいのですが、中国では日本ほど消費されていないそうで、ちょっと意外な気がします。
余談ですが、地元に働きに来ているベトナム人の若者がいまして、去年のちょうどこの時期に近所の酒屋の店先で袋に詰められた梅の実を買っているところに出会しました。
ベトナムにも梅酒があるのかな?と思って訊ねたところ、丸かじりすると美味しいのだとか…
びっくりしました。
青々とした梅の実には毒があるので生で食べてはいけないと教えられてきた私は、彼の差し出した梅の実を丁寧に断るのにちょっと苦労した思い出があります。