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アストラゼネカのワクチンに対する不安と懸念

by 黒岩留衣
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彼女はフェイスブックで陰謀説を初めとした、様々なワクチン忌避ビデオを見たことがあると言っています。
アミニータ・ゲイェは、それを馬鹿げた噂話であるとして肩をすくめ、世界保健機関が支援する『Covax』と呼ばれるワクチン配布計画の好意でアストラゼネカのワクチンの接種に漕ぎ着けることができました。

 

その後、ダカールのラジオでいくつかのニュースがありました。
規制当局が、稀ではあるものの致命的となる可能性のある脳血栓との明らかな関連性を発見した後、一部のヨーロッパ諸国はワクチンの使用を停止したのでした。

 

ゲイェは病院に行ったことはありません。
「私はワクチン接種を受けるのが待ちきれませんでした」と38歳の彼女は言いました。
2回投与されるアストラゼネカのコロナウイルスワクチンについての長引く躊躇は、世界の人々にワクチンを接種するプログラムに困難をもたらす可能性があります。

 

オックスフォード大学で開発された、保管が簡単で、手頃な価格のアストラゼネカのワクチンは、WHOが主導するCovax計画(COVID-19ワクチンへの公平なアクセスを目的としたグローバルな取り組み)の中心であり、特に世界的なワクチン競争から除外された発展途上国で、必要とされる線量を国際的に配布します。
安全性に関する遅延と疑念、特に若い女性の脳血栓への潜在的なリスクは、展開が始まったばかりのCovaxに新たな課題をもたらしました。

 

一部の国では現在、安全性情報を再度検討し、他のワクチンの選択肢を模索し、疲れ切った人々の心を安心させようとしています。
一方でCovaxはまた、ヨーロッパや他の人々が注意を促したワクチンに依存しているという現実に苦しんでいます。
ジョンソン・エンド・ジョンソンの1回投与ワクチンの使用を一時停止するという米国の決定は、その理由が血栓と関連している可能性もあり、それが人々のさらなる警戒心を呼び起こし、接種を配布する予定のCovaxを更に弱体化させる可能性もあります。

 

「アストラゼネカは、Covaxのバックボーンであり、主力製品です」と、戦略国際問題研究所のグローバル・ヘルス・センターの責任者であるスティーブン・モリソンは述べています。
「人々がそれに背を向けた場合、それは世界計画にとって恐ろしく、且つ非常に危険な状況を生み出すかもしれません」

 

かつてパンデミックスレイヤーとして期待されていたアストラゼネカのワクチンは、課題に直面しています
デューク大学のグローバル・ヘルス・イノベーションセンターの研究者チームによると、米国を含む「高所得国」は世界人口のわずか16%を占めていますが、少なくともこれまでのところ、ワクチン供給の53%を独占しています。

 

既にアメリカは、全人口の20パーセント以上にワクチンを接種しています。
Covaxは、今年の年末までに、92の参加国の人口の20%に予防接種を行うのに十分な用量を確保し、配布することを目指しています。
外交問題評議会が先月発表した調査によると、アストラゼネカのワクチンは、低・中所得国での世界のワクチン供給のほぼ50%、低所得国に限っては供給の3分の1を占めると予想されています。

 

木曜日に、アメリカ国務長官のアントニー・ブリンケンは、同盟国に対し、Covaxの取り組みにより多くの資金を約束するよう呼びかけ、年末までには対象国の30%にワクチンを提供できる可能性があると述べました。
WHO、欧州医薬品庁、アフリカ連合は、アストラゼネカのワクチンのメリットがリスクを大きく上回っていることを強調しています。
しかし、それでも疑念は長引いています。

 

デンマークは水曜日、安全上のリスクを懸念してワクチンの使用を永久に停止すると発表しました。
カメルーンは、出荷が到着する数日前の3月に、アストラゼネカのワクチンの承認を取り下げました。
これは、血栓との因果関係に対する初期のヨーロッパの調査に照らして、ワクチンのさらなる調査・研究の行方を見たいと考えたためです。

 

同じ理由で、リベリアは接種キャンペーンを3週間遅らせました。
コートジボワールの当局者は、予定より遅れたワクチン接種キャンペーンの「体系的な拒否」を非難し、ワクチンを棚ざらしにすることによる投与量の期限切れについての懸念を表明しました。

 

レバノンがCovaxから提供された最初の33,600回分のアストラゼネカ・ワクチンの投与を開始した3月28日以来、政府最大の病院で予約されていた患者の約3分の1が現れていないと、病院の主任管理者であるファイラス・アビアド氏がコメントしています。
スタッフが人々に理由を尋ねたとき、彼らはアストラゼネカ・ワクチンに対する諸外国の不信を引用したと言いました。

 

専門家によると、ワクチンの最も堅固な擁護者であるイギリスが、30歳未満の人々に別のワクチンを提供することを決定したという事実は、一部のCovax参加者にとって特に憂鬱です。
多くの低所得国は、人口が若く、ワクチンの選択肢が少ない傾向があります。

 

それを買う余裕のある国の中には、ロシアのスプートニクVワクチンに頼る国もあります。
中国の保健当局のトップが中国のワクチンの有効性は「高くはない」と発言したという最新のニュースにもかかわらず、他の人々は中国と契約することを選ぶかもしれません。
カメルーンは、アストラゼネカで足踏みした後、今週、中国のシノファームワクチンの初回投与を受けました。

 

かつてワクチンレースの最有力候補と見なされていたアストラゼネカ・ワクチンの開発は、試行錯誤、生産の遅れ、広報の失敗などに悩まされてきました。
「アストラゼネカのコロナウイルスワクチンは、まれな脳血栓に関連していると考えられます」とヨーロッパの規制当局は発言しています。

 

欧州連合の医療規制当局である欧州医薬品庁は4月7日、アストラゼネカ・ワクチンがまれな脳血栓を引き起こしているようであり、投与される10万回の投与ごとに1回の合併症のリスクがあると述べました。
主な懸念事項は、脳から排出される血液を遮断する、硬膜静脈洞血栓症(CVST)と呼ばれる血栓の一種です。
欧州医薬品庁の最初の安全性レビューに含まれた62例の脳血栓と24例の腹部の静脈血栓のうち、18例が致命的でした。

 

オックスフォード大学の教授であり、アストラゼネカワクチンの共同開発者であるアンドリュー・ポラード氏によれば、稀な血栓がトピックとして拾い上げられたという事実は、安全システムが機能していることを示していると述べています。
「コロナウイルスは、世界中の人々にとって引き続き大きな脅威です」と彼は言いました。
「そして私たちは、人類の利益のために、営利目的ではなく、世界的な予防接種を支援するという使命を継続しています」

 

一部の国では、ワクチンの選択肢を検討しているようです。
レバノンでは、世界銀行がファイザーワクチンの210万回分の購入に資金を提供しており、現在、投与されるワクチンの大部分を占めています。
一方、レバノンのビジネスリーダーは、ロシア製のスプートニクワクチンを輸入するために介入しています。

 

それでもなお、この国は約200万回のアストラゼネカのワクチン投与を期待しています。
これはレバノンが集団免疫を獲得するために必要な合計の5分の1を占めるからです。
レバノンは、先月末にCovaxから提供された最初の33,600回のアストラゼネカの投与を開始しました。
しかし、最終的には200万回の投与が予想されるため、大規模なワクチンの接種は計画の成功に大きな影響を与える可能性があるとアビアド氏はコメントしました。

 

「多くの躊躇がある場合、私たちはできるだけ多くの人々に予防接種を受けることを強制することは出来ません」と彼は言いました。
多くの国々は、ワクチンに対して懐疑的な人々の層に取り組む必要があります。

 

レバノンの経済崩壊はすでに政府に対する不信感を煽るに十分であり、ワクチンに対する根拠のない噂や主張の影響を悪化させています。
この国では、どの種類のワクチンを受け入れるかについて、宗派間の分裂と対立すら現れているほどです。

 

The Washington Post:2021年4月17日


原題:AstraZeneca is the ‘workhorse’ for vaccinating the world. Now, the world is uneasy over clot risks.
引用:https://www.washingtonpost.com/world/astrazeneca-vaccine-covax-world-clots/2021/04/15/da05b424-9876-11eb-8f0a-3384cf4fb399_story.html

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