ベイルート中心部のCNN支局が火曜日、これまでに経験したことのないほどの衝撃を受けたので、それは地震だと私は思いました。
私は床にうずくまって、さらに衝撃に備えました。
そのわずかに一秒後、ガラスが割れる音と金属が砕ける音が聞こえました。
窓から覗くと、黄色いほこりの雲が近づいてきました。
通りには瓦礫とガラスの破片が散らばっていました。
人々は走り回って叫び、何が起こったのか理解しようとしました。
私は局の残骸を見つけました。
壁から窓枠がはがれていました。
スタジオは無茶苦茶になり、ケーブルはあちこちに散らばっていましたが、カメラが付いた三脚はまだ床に設置されたままでした。
大きな赤いCNNのロゴのある事務局のガラスのエントランスは粉々に吹き飛ばされ、廊下にガラスが砕け散っていました。
数分後、ムスタファという名前のドアマンがやって来ました。
「大丈夫ですか?」彼は叫びました。
「みんな元気ですか?」
私は「大丈夫、元気だ」と答えました。
そう、私には何も起こりませんでした。
「よかった、神に感謝します」と彼は言って、他の負傷者を捜すために廊下を去って行きました。
コロナウイルスの大流行が始まって以来、この建物は長い間静かでした。
私は友人や仲間の安否を電話で確認しました。
プロデューサーのガハジ・バルキスは「大丈夫だ」と返答しました。
カメラマンのリチャード・ハーローにも電話をかけました。
返事はありません。
彼の電話はつながりませんでした。
私は何度も何度も電話しました。
近くのマナラ地区に住んでいる友人から電話がありました。
「何があったの?」彼女の声はパニックに満ちていました。
私は知る限りの情報を彼女に伝えました。
「港湾で爆発があったようだ」
その後、CNNの本部から、今何があったのか、説明を求めるリクエストが殺到しましたが、カメラマンが居なくては何が起こっているのかを映像で伝える術がありませんでした。
カメラマンのリチャードはまだ電話に出ていませんでした。
この日、他の多くの人たちと同様に、彼は怪我をしているか、あるいは彼の身がもっと酷いことになっているのではないかと恐れました。
ついに彼に連絡を取ることができました。
爆風でリチャードがスクーターから投げ出されたと聞きました。
彼は手を負傷したと言いました。
「そっちへいくから、医療用キットを準備してくれ」と同僚から指示されました。
彼は片手に深い切り傷を負いながらスタジオに現れました。
私は傷口に消毒パウダーを振りかけ、包帯で包み、彼に急いで病院に行くように言いましたが、彼は「ノー!ダメだ!」「映像を配信するべきだ」と主張し、カメラをセットアップし始めました。
その間ずっと、入ってくる情報はどんどん肥大化して行きました。
まず、10人が死亡し、次に数十人。
負傷者は数百人、その後数千人が負傷したとの情報が入りました。
「私は内戦を経験し、イスラエル侵攻も、戦争も経験しました」友人は電話で私にそう言いました。
「しかし、決してこれほどの大爆発を見たことがない」 彼女はそう言いました。
それは私の電話に情報を伝えてくれた友人や知人たちが、一様に口にする同じ言葉のリフレインでした。
「この国は呪われている」そう言ったのは別の友人です。
私はその言葉を否定することができませんでした。
レバノンの経済は崩壊状態にあります。
現地通貨はその価値の多くを失っています。
過去3か月間、食品やその他の基本的な商品の価格は毎月50%上昇しています。
失業率が急上昇し、 老人でさえ、ごみをあさり、食べ物を探しているのを目にすることはよくあることです。
この国は本当に呪われているのかもしれません。
(参照:CNN breaking news)
情報が初めて入ったときは、そこまで酷い惨状だとは思いませんでした。
この投稿記事はCNNの記事と、ライブ映像からの翻訳をミックスして書いています。
先ほどのライブニュースで、現地の日本人に負傷者が出たようだとのニュースがありました。
米国のトランプ大統領は火曜日、ホワイトハウスの記者会見で、レバノンの人々に深い同情の意を示し、支援を提供する用意があると述べました。
トランプ大統領は、アメリカの将軍たちの中には、事件は「恐ろしい攻撃」であると主張する者もいると述べました。
米国務長官のマイク・ポンペオは、レバノン政府が爆発の原因を調査していて、米国はその結果を待っていると述べました。
レバノンの国家通信社NNAによると、最初の報告では、港近くの火薬倉庫での大火災が爆発の原因であるとされています。