24日まで3日間にわたって開催された米議会公聴会では、連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策の枠組み見直しを巡り、ジェローム・パウエルFRB議長に対して称賛の声が上がる一方、懸念の声は一言も聞かれませんでした。
FRBは先月、政策枠組みの変更の一環として、低インフレが続いた場合に一定期間のインフレ上振れを目指す方針を表明しました。
議会はFRBに対し物価安定と完全雇用という2つの責務を付与していますが、その達成方法はFRBに委ねられています。
今回の見直しは、FRBが2%のインフレ目標を採用した2012年以来の大幅な変更になりますが、目標の導入時も、今回の枠組み変更のいずれについても議会の正式な承認は求めませんでした。
かつてインフレ率の上振れ容認について懸念を表明していた議員らも、今週の公聴会では枠組み変更について問い詰めることも異議を唱えることもせず、賛辞を送る議員さえいました。
デニー・ヘック下院議員(ワシントン州)は「まったく誇張ではなく、この新たな枠組みは40年間の金融政策、ひいては経済政策の中で導入された最も重要なものだ」と述べました。
トレイ・ホリングスワース下院議員(インディアナ州)はこの変更を「すばらしいニュース」と評し「FRBの行動に感謝する。今後のFRBと米経済にとってプラスになるだろう」と話しました。
また、FRBは今回の見直しで、物価に上昇圧力がかかり始めるとみられる水準以上に失業率が改善しても、それだけでは予防的な利上げは行わない方針も表明しました。
The Wall Street Journal