米経済は、繁栄への素晴らしいエンジンです。
火曜日の株価が上昇し、ダウ工業株30種平均が史上初の3万ドル台に乗せたことは、そのことを改めて証明するものでした。
株価は上昇する時もあれば、下落する時もあるものですが、将来への楽観的な見方を示すこのマイルストーンの達成は、新型コロナウイルス感染症の蔓延による苦境にもかかわらず、米経済に回復力があることを示すものでした。
われわれは多くの予想を外してきました。
今年3月に何人かの政治家によって経済活動の停止措置が取られた後は、特にそうでした。
7月31日に失業給付を上乗せする特例措置が失効した後に、このままでは壊滅的状況に陥るだろうとの予想を覚えているでしょうか?。
その予想は当たりませんでした。
第3四半期の成長率は年率換算で前期比33.1%に達しました。
議会が3兆ドル(約310兆円)の追加コロナ対策法案を通過させなかった場合に大災難が起きると言われていたこともありました。
覚えていますか?
チャック・シューマー上院院内総務とナンシー・ペロシ下院議長は連日のようにプレスリリースを出し、ブルームバーグ通信の賢者たちも、それに同調していました。
ですが、起こりませんでした。
先週には、財務省が連邦準備制度理事会(FRB)のパンデミック向け特別融資枠を停止すれば、市場が動揺するだろうと告げられました。
これには一定の動揺がありました。
新型コロナの新規感染者数が急増しているものの、経済は成長を続け、失業率は低下し続けています。
アトランタ連銀は、現時点で半分が終わっている第4四半期について、成長率が5.6%になると予想しています。
こうした状況は、ロックダウンで市民を苦しめる方策を取るカリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事に続く知事が増えれば、確実に変わると思われます。
この措置は、10月のカリフォルニア州の失業率が9.3%と、50州で5番目の高さになった理由の1つです。
ニューヨーク州の失業率は9.6%で、全国で3番目に高い数値でした。
一方、米国の全般的な成長は予想以上に良い方向に続いています。
住宅市場は活況を呈しており、消費者および中小企業の景気信頼感は力強いものがります。
失業率は6.9%に低下し、失業保険継続申請件数は先週の報告でさらに42万9000件の減少しました。
米国民には利用可能な膨大な貯蓄があり、それがパンデミックにもかかわらず、消費者が支出可能な理由となっています
自動車販売は好調でしたが、これは人々が空の旅を減らし、通常の休暇を取っていないことを一部反映していることは間違いありません。
2021年にパンデミックが終息する前兆となるようなコロナウイルスワクチンという医療上の奇跡を投資家たちは期待しています。
大統領選後に政治的トラウマが生じる可能性が去りつつあることは株価の助けとなるでしょう。
ですが、株価をより大きく押し上げているのは、ジョー・バイデンによる破壊的な増税案に対し、共和党主導の上院が、これを阻止する役割を果たすとの見通しに基づいています。
バイデン氏は依然として規制措置により市場にダメージを与えることは可能です。
しかし、それにかかる時間がさらに長くなり、訴訟対象となる可能性もあります。
経済活動の停止の可能性を除けば、来年1月のジョージア州の上院2議席を争う決選投票で民主党候補が当選することが、今後の市場にとって最大のリスクと言えるでしょう。
ちなみに2016年の大統領選の日、ダウ平均は1万8332ドルでひけました。
The Wall Street Journal (社説)