英国外務省駐在のネズミ取り長官であるパーマストン氏は7日、文書を公表し、公務の引退を表明した。
文書によれば、パーマストン氏は、すでにロンドンの官庁街ホワイトホールを離れて、今では田舎で木登りや野原のパトロールに精を出していると語られている。
引退後の滞在先は『田舎』とのみ報告され、詳細については非公開とされた。
文書ではさらに、かつては外務省でネズミを捕るほか「寝たふりをしながら各国の外交官の会話を盗み聞き」していた自分が引退してしまうのは「この国の諜報活動にとって大きな損失」となるだろうが、自分も近頃は年をとったので、外交の公務から引退して自分のための時間を楽しもうかと思うと書かれている。
パーマストン氏は、2016年にロンドン南部のバタシーの動物保護施設から外務省に引き取られた保護猫である。
パーマストン氏は「自分の食い扶持は自分で稼ぐ」とのポリシーから、ほぼ毎日欠かすことなくツイッターで近況を報告し続け、そのフォローワーは105,000人を超えるほどの人気を得ている。
彼の名前は、19世紀半ばに外相や首相を歴任したパーマストン子爵にちなんだものである。
パーマストン氏はサイモン・マクドナルド外務次官に宛てた手紙で、新型コロナウイルス感染対策として、自分も多くの公務員と同じように「在宅勤務」を選択し「以前と同じように勤勉」に務めていると書いている。
また、公務から引退しても「イギリスと外務省のための大使」であり続けることを誓約し、自身が外務省で人間の職員たちと協力して作り上げた「外交猫」や「外交犬」のネットワークは、今後もイギリスのために活躍するだろうとも書かれていた。
外務省は首相官邸と近接しており、首相官邸直属の「ネズミ捕り長官」ラリー氏とは『ウマが合わない』ことで知られるパーマストン氏は、しばしば報道陣の目の前で「非外交的」な衝突を繰り返した。
だがラリー氏との不仲が、彼の『新たなる旅立ち』を後押ししたとの見方をする者は多くはないという。
なお、首相官邸直属のネズミ捕り長官ラリー氏の公式なコメントは、今のところ得られていない。
引退後の生活については『年金生活』を望んでいるものの、自分に年金が支払われるか否かの確信は持てないとのことである。
パーマストン氏は不幸なことに、自身の生年についての確かな情報を有していない。
ダウニングストリートの新たな主人となったボリス・ジョンソン首相は、就任時に「私にとっての最初の仕事はパーマストン氏との良好な信頼関係を築くことである」と述べたことがあった。
パーマストン氏とジョンソン首相は概ね良好な『コミュニケーション』を確立していたようだとの記者団の証言がある。
「パルミー」の愛称で親しまれたパーマストン氏の公務引退には全国から多くの惜しむ声が寄せられている。
サー・サイモン・マクドナルド外務次官によれば、その中にはエリザベス女王陛下を含め、ロイヤルファミリーの方々も含まれるという。
なお、後任についての公式な発表はまだない。
関係者によれば、キャニング、バサースト、バルフォー、エデン、リフキンド、ミリバンドら各氏の名前が取り立たされているという。
(参照:BBC)
たまにはこういう話題も良いかと思いました。