アメリカは経済活動の再開を目指して、着々とステップを踏んでいるかのように見えます。
ところが、アメリカで最も権威ある疾病管理予防センター(CDC)はアメリカの経済活動の再開の手順について、少なくともホワイトハウスよりは慎重で厳格な意見を持っているようです。
そして、アメリカにおけるコロナ対策の両輪とも言えるホワイトハウスとCDCとの間に、こうした意見の対立から深刻な相互不信が生まれているというレポートです。
先週、ホワイトハウスのスタッフの間で数人の感染者を出してしまったことは、トランプ大統領にとって不幸なことだったようです。
トランプ政権が苦労して積み上げてきた、経済活動再開に向けた一連の努力に冷水を浴びせられ、台無しにされてしまうかもしれないという落胆があったようです。
そうしたタイミングでCDCがより慎重なロードマップを提示してきたことは、トランプ政権にとって不愉快な出来事だったのかもしれません。
日本でもそうですが、学者は石橋を叩いて渡らない、どんなに頑丈な橋だろうが重箱の隅をつついてでも慎重な(あるいは悲観的な)見通しを示す傾向があります。
失敗したときの責任を取りたくないから当然といえば当然の行為ですね。
対する政治家側は失業保険や休業補償を払いたくないので一刻も早く経済活動を再開したい。
これもまぁ倫理上は置いといてそう考えるのは自然なことでしょう。
結局のところ、経済活動再開の要求と公衆衛生上の懸念とはどこまでも相反するものなのでしょう。
議論が白熱するのは仕方のないことなのかもしれません。
ですが、このタイミングで両者の間の意見の対立がこじれ結果として政策が迷走することは、トランプ政権だけでなく国民にとっても不幸な事だと言わざるを得ません。