白人警察官による黒人男性の死亡に端を発した抗議行動は収まる様子もなく、むしろ世界各地に広がりをみせています。
首都ワシントンで行われた抗議デモは、これまででも最大規模であり、ワシントン州シアトルでは抗議者に催涙弾を発射する騒動も起こっています。
またホワイトハウスの周辺には急遽フェンスが設置され、「要塞化」する状況になっています。
参照:CNN
今回の人種差別運動とコロナウイルスの騒動とには、ある種の奇妙な共通点があります。
それは民主党と共和党の対立であり、イデオロギーの対立であり、価値観の対立であり、見えている世界の対立だということです。
経済再建を強く訴える保守派のグループは、一部の過激な抗議者が略奪や放火を繰り返したことを「テロ行為」として批判し、たとえ軍隊を投入してでも排除されるべき障害であると映っているはずです。
彼らにとってのトランプ大統領は「法と秩序の守護者」であり「経済再建の救世主」となるはずです。
一方、経済再建よりは感染拡大を阻止することに重点を置くリベラルのグループにとっては、感染拡大を阻止し社会的弱者の身体・生命を守ることと、平和的な抗議者の権利を守ることは、いわば同源の思想であり、経済よりも優先されるべきことと映っているはずです。
彼らにとってのトランプ大統領は「アメリカを分断しようとする愚者」に見えているでしょう。
最終的に、これら対立する二つの正義のいずれを優先させるべきかは、大統領選の行方を左右する大きな要素になると思われます。