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トランプ「負傷した老人はテロ組織の工作員かも?」と発言。

by 黒岩留衣
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つい数日前、警察官によって突き飛ばされて後頭部を強打し、負傷した老人のニュースについて書きましたが、今回はその続編です。

というか、こんな展開になるとは思ってもいませんでした。

 

過去には「アポロ宇宙船の月面着陸はなかった」とか「ユダヤ人が陰で世界を操っている」とか、この国には実しやかな陰謀論は数限りなく存在するのですが、今、アメリカの現役大統領の名のもとに新たな歴史の1ページが書き加えられようとしています。

 

トランプ米大統領は9日、ニューヨーク州バッファローで白人警官による黒人男性暴行死に対する抗議デモに参加していた75歳の男性が警官に突き飛ばされて負傷した事件について、陰謀説を示唆するツイートを投稿した。

現場で撮影された映像には、白人男性がデモを警戒中の警官に近づいたところ、突き飛ばされて後ろ向きに倒れ、頭から血が流れる様子が映っている。

男性を突き飛ばした警官2人は停職処分となった。

 

トランプ大統領は負傷したマーティン・グジーノ氏について、急進左派の活動家ネットワーク「アンティファ(Antifa)」の工作員の可能性があると主張。

警官に「押されたよりも激しく転んでいた。仕組まれていた可能性もあるのでは?」と投稿した。

主張を裏付ける証拠は何も示していない。

 

 

この日は、ミネソタ州ミネアポリス近郊で白人警官に首を圧迫され死亡したジョージ・フロイドさんの葬儀が開かれた。

トランプ大統領のツイートは、フロイドさんの葬儀が始まる数時間前に投稿された。

 

ニューヨーク州のクオモ知事はトランプ大統領のツイートに「嫌悪感を覚える」とし、謝罪するよう要求した。

「トランプ大統領は証拠もなく、被害男性をアンティファのメンバー呼ばわりした。事実ではなく、主張でしかない」とし、「米大統領による極めて非難されるべき、ばかげたコメントだ」と激しく批判した。

 

引用:Reuters

 

CNNは論評で「トランプ大統領はグジーノ氏が負傷した原因が、警察官による過剰防衛の結果ではなく、彼がテロ組織の工作員であり、二人の警察官は悪意ある極左グループによって罠にはめられた哀れな殉教者であるというストーリーを望んでいるようだ」と語り「大統領がどのような物語を望もうが、大切なのは真実である」と述べ「真実は彼の物語とは程遠いようである」と批判しています。

引用:CNN

 

これに対しニューヨーク州のクオモ知事は記者会見で「トランプ大統領は、彼が頭をコンクリートの地面に打ちつけ、耳から血を流していた事も『でっちあげ』と批判するつもりなのか?」と問いかけ「彼はいまだにICUのベットの上にいる」とし、大統領は自らの「いかにも無責任で、無謀で、粗野で、愚かな発言」について謝罪するように求めています。

 

またグジーノ氏の弁護士は「大統領の発言をどうすれば理解できるのか、途方に暮れている」とコメントしました。

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