東京のインターナショナルスクールで働くキンバリーとポールのフラデール夫妻は彼らの夢を叶えました。
彼らの夢とは、郊外に大きな古い家を購入し、それを以前の栄光に戻すことです。
フラデール夫妻はどちらも田舎で育ちました。
母親が日本人である日系アメリカ人、キンバリーはアラスカの田舎で育ち、ポールは少年時代をニューヨークの田舎で過ごしました。
不動産価格が非常に高価であることで知られている国から見れば、日本の古い家(日本では『KOMINKA』と呼ばれています。古い家と言う意味です)は非常に魅力的に見えるようです。
「場所によっては2万ドル程度で購入できます。それどころか過疎の街に行けば、無料か、あるいは限りなく無料に近い価格で家を提供してくれる地域もあります」
「彼らは街に新しい住人が増えることを期待しているのです」とポールは説明します。
「外国人が住宅を購入するのに特別な制限もありません。もっとも就労ビザや永住権がなければ融資を受けるのは難しいかもしれません」
「ですが、価格自体が手頃なので、現金を選択すればいいのです。問題ありません」
日本に永住する決意を固めたフラデール夫妻はおよそ25万ドルを費やしたそうです。
彼らが購入した資産は、巨大な数本の桜の木がそびえる完全に成熟した約3/4エーカーの日本庭園と日本で『DO-ZOU』と呼ばれる倉庫のような付属建造物がありました。
日本では、古い家、特に都市部から遠く離れた古い家には殆んど関心がないようです。
「プライバシーが十分に確保できないことも要因でしょう。部屋と部屋を仕切るのは木材と紙で作られた薄い障子または布間だけです」
「誰かがイビキをかこうものなら、家族全員がそれを聞くことができます。小さい子供がいたら、なおさら選択肢に入らないでしょう」とキンバリーは苦笑しながら話してくれました。
ポールにとっては、この家は『一目惚れ』だったそうです。
「私たちがこの物件に足を踏み入れたとき、私は既に夢中でした。最終的にどのような姿に蘇るかは簡単に想像できました」
ただし、キンバリーはそれほど印象的ではなかったようです。
エージェントに会いに行ったときの私への彼女の言葉は「興味を持たないで!」でした。
この家の元のオーナーのもとには、この家を取り壊してアパートを建設したいと言う申し出が既にあったそうです。
彼にしてみれば、経済的にはその方が魅力的なオファーだったかもしれません。
ですが、彼はできればこの古い家を大切に受け継いで欲しいと言う希望があったそうです。
ポールは「それは私にとって、とても幸運でした」と言います。
フラダール夫妻の隣人は、ほとんどが高齢者です。
彼らは他のほとんどの日本人がそうであるように弱者を応援するのが好きなようです。
「私たちが毎週末ごとにこの家を訪れ、朝から晩までリフォームに取り組む姿を好意的に見ていました。やがて彼らは自ら申し出て手伝ってくれるようになりました」
「私たち夫婦は『歓迎された新規参入者』として迎えられたようです」
Covid-19の感染拡大の影響はこの国にもありました。
フラダール夫妻の職場も一時閉鎖となりましたが、彼らは少しもストレスを感じなかったと言います。
「庭の紫陽花が咲き誇る小道を散歩するのが何より楽しみでした。庭の自然が美しく成長していく様子が無限の快適さの源になりました」とキンバリーは語り、ポールは笑顔で肯いていた。
「祖国を離れ、新しい文化に参加し、こうした挑戦に取り組むことに興味があるなら、日本の古民家をお勧めします」
「非常にやりがいがありますよ」
参照:CNN travel