大分、蒸し暑くなってきましたね。
まだ6月なのに日中は30度近い日が続いて、春にタネから育てた向日葵が枯れるんじゃないかと思うくらい日差しが強烈な日々が続いたと思えば、今日は一転して豪雨です。
こういう時期に避難するのは色々と大変ですよね。
ところでコロナウイルスの世界的な感染拡大がなければ、もうあと1ヶ月で東京オリンピックが開幕する予定でした。
オリンピックといえば、趣向を凝らした開会式のイベントが話題になります。
開会式のイベントの趣向は、通常は極秘事項になっていて、大会当日は世界中の人がワクワクしながら楽しみに見るものです。
そんなオリンピックの開会式を彩るイベントに『採用された』かもしれないと言われていたユニークなプランがありました。
それが『人工流れ星計画』です。
人工流れ星を計画・立案したのはベンチャー企業のaleという企業です。
この事業はJAXA(宇宙航空研究開発機構)の「革新的衛星技術実証プログラム」に採択された事業です。
簡単に理屈を説明すると、JAXAの打ち上げるイプシロンロケットに小型の人工衛星を載せ、宇宙に送り出し、そこから『流れ星のもと』になる金属を射出。
射出された流れ星のもとは大気圏に再突入する際に大気の摩擦熱で燃え上がり、発光し、流れ星として人々の目を楽しませるというものです。
「人工流れ星」と「天然流れ星」とでは、いくつかの違いがあります。
まず違うのは『時間』です。
天然流れ星は直径数ミリ程度の砂粒のような宇宙のゴミが大気圏に突入して燃え上がり、発光する現象です。
そのため、流れ星が見える時間はほんの一瞬でしかありません。
たいして人工流れ星のもとは直径1センチ程度の金属の粒なので、光る時間も3〜10秒もあるそうです。
それだけあれば、流れ星に願いをかける時間もあるかもしれません。
ただし、ご利益があるかどうかは話が別ですが。
さらに素晴らしいのは色が自在に調節できることです。
金属は種類によって燃え上がるときの色が違います。
いわゆる炎色反応という現象ですが、打ち出す金属の素材を工夫することで様々な色が表現できるそうです。
花火が多彩な色を表現できるのも、この炎色反応を利用しているからですが、人工流れ星は、まるで宇宙に咲いた花火のように自在に色をコントロール出来るとか。
蒼い流星も、赤い流星も思いのままになるそうです。
人工流れ星は半径100キロの広範囲で観測できるそうなので、東京の中心部を狙って射出すれば、関東一円で色鮮やかな流れ星が観測できることになります。
夢のあるプロジェクトだと思いますね。
さてこの『人工流れ星』計画ですが、残念なことに流れ星を射出する人工衛星の2号機に不具合が見つかってしまい、計画の実現が2020年から2023年に延期されたと発表されました。
これによって、東京オリンピックには間に合わなくなってしまったわけですが、それでもなんとか実現させて欲しいですね。