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ハリス氏とペンス副大統領の静かで激しい論戦

by 黒岩留衣
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カマラ・ハリス上院議員は、トランプ大統領のCovid-19の感染からわずか数日後の討論会に出席し、来たる大統領選挙をトランプ政権によるコロナウイルスのパンデミックへの対処を巡る信任投票に仕立てようと努力しました。

一方、ペンス副大統領は、水曜日にユタ大学で行われた90分間の副大統領討論会の過程で、コロナウイルスに対するトランプ大統領の対応を擁護し、経済を宣伝し、民主党の政策を批判しました。

 

選挙まで残り1か月ほどとなった現在、世論調査では民主党のジョー・バイデン候補が支持率の差を広げていることが確認されています。

ハリス氏は、コロナウイルスに関するホワイトハウスのタスクフォースを率いているペンス氏に対し、その死者数の増加を巡って批判し、副大統領としてトランプ政権にウイルスの蔓延を食い止められなかった責任があると主張しました。

 

副大統領候補の討論会に臨む共和党のマイク・ペンス副大統領

 

「アメリカ国民は、わが国の歴代政権の歴史の中で、最大の失敗とは何であるかを目撃しました」とハリス氏は討論の冒頭で述べました。

ハリス氏は、トランプ氏がパンデミックへの対処に失敗した結果「彼はもはや再選の権利を失った」と述べました。

 

副大統領は、トランプ氏は「アメリカ国民の健康を第一に考えている」と反論しました。

ペンス氏は、バイデン氏がウイルスに取り組むために提案した計画のいくつかを政府がすでに実施していると付け加え、民主党の計画は「少し盗作のように思える」と主張しました。

 

このイベントは、お互いに邪魔をする頻度が少なく、先の大統領選挙討論会よりも整然としていました。

しかし、両候補者の間にはまだ緊張がありました。

「副大統領、今は私が話しているのです」とハリス氏は何度か言いました。

ペンス氏も同様に、ハリス氏が話を遮ろうとした時、彼に話をさせるように促しました。

 

ペンス氏とハリス氏はアクリル板によって隔てられ、討論中は12フィート離れて座っていました。

討論会の参加者は、イベントの前にコロナウイルス検査を受けることが必須とされ、マスクを着用する必要がありました。

ユタ大学のキングズベリーホールでの討論会を見守った聴衆は90人に制限されました。

 

経済問題に話題が向けると、副大統領は2021年が「この国の歴史上で最大の経済年」になると約束し、バイデン氏が増税によってトランプ政権の経済的成果を台無しにする計画を立てていると非難しました。

「今回の投票にはアメリカ経済、アメリカの復活がかかっている」と副大統領は主張しました。

 

これに対しハリス氏は、バイデン氏の増税計画は年間40万ドル未満の収入しかない人々には増税にならないと反論し、トランプ政権はバイデン氏が副大統領を務めたオバマ政権時に始まった景気回復の恩恵を受けていると主張しました。

 

コロナウイルスのパンデミックに関する議論は両者の討論の中でも一際大きなテーマとなりました。

「トランプ大統領と私は、アメリカ人の健康のために最善の選択をしたと信じています」と副大統領は言いました。

 

ハリス氏は、新型コロナウイルスのワクチンが開発され、接種可能になった場合、すすんでこれを受けますか?と問われ「政府の公衆衛生専門家がそれを保証した場合にのみ」トランプ政権下で承認されたCovid-19ワクチンを接種すると述べました。

「ドナルド・トランプが私たちにそれを接種するべきだと言うだけなら、私はそれを接種しないでしょう」と彼女は言いました。

 

副大統領はハリス氏に「ワクチンの安全性について人々に疑念を広げるような不用意な発言は慎むべきだ」と促しました。

「あなたはあなたの思う考えを述べる権利がありますが『あなたが望んでいる真実』を流布する権利はありません」

「人々の生活を政治目的でかき回すのはやめなさい」と彼は発言しました。

彼のこの発言は、トランプ大統領の下で副大統領を務めるペンス氏にとって、非常に『勇敢な』発言であると後にアナリストは解説しています。

 

大統領の病気は、歴代最年長の大統領であるトランプ氏(74)と、彼が選出された場合にその王座を奪うであろうバイデン氏(77)の両方の高齢に対する懸念を復活させました。

大統領が職務を遂行できなくなった場合は、副大統領に権力を移譲することが可能になります。

ペンス氏とハリス氏は、彼らが無能力になり、国を指導できなくなった場合に考えられる予防策についての質問には答えませんでした。

 

ハリス氏は、米中の関税をめぐる貿易紛争に関して、結果として米国は多くのものを失ったと主張し、トランプ大統領の対中通商政策を失敗だったと主張しました。

「あなたはその貿易戦争に負けました」と彼女は言いました。

ペンス氏は即座に反撃しました。

「中国との貿易戦争に負けた?負けたと言いましたか?ジョー・バイデンは戦ったことすらないのに」

 

ハリス氏は、トランプ大統領が戦争で亡くなったアメリカ人兵士を「負け犬」とか「愚か者」と呼んだと主張する最近のニュース報道を引用したとき、ペンス氏は声を荒げました。

「我々の軍隊の兵士に関するそうした中傷は馬鹿げている」と彼は言いました。

 

討論の間、トランプ大統領はツイッターを更新し、副大統領の業績を称賛しました。

「マイク・ペンスは素晴らしいことをしています!ハリスは失言マシンです」と彼はツイッターに書きました。

 

 

The Wall Street Journal

Mike Pence, Kamala Harris Clash on Combating Coronavirus at Vice Presidential Debateから一部引用


CNNはハリス氏とペンス副大統領の討論を「ハリス氏の勝利」と報道していましたが、それは意味のないことです。

トランプ大統領が非難されて当然の身勝手な言動を繰り返している以上、ペンス副大統領が守勢に回るのは最初からわかっていました。

ペンス氏は、トランプ大統領の破天荒な言動を擁護しなければならないというハンディキャップを背負う中で最善を尽くしたように思います。

 

また地球環境問題で、化石燃料の排除という民主党の掲げる政策が、内燃機関の技術開発で中国に先行している西側諸国のアドバンテージをリセットし、そのため雇用を揺るがし、エネルギー価格の高騰をもたらしかねないという指摘は、これまであまりメディアに登場することのなかった新鮮な話題でした。

 

またハリス氏はトランプ政権のロシアに対する弱腰を非難しましたが、ウクライナの騒乱に端を発したロシアのクリミア侵攻が起こったのは2014年でした。

つまり時の米国大統領はオバマ氏であり、副大統領はバイデン候補自身でした。

当時の経緯に鑑みれば、バイデン陣営に「ロシアに対する弱腰」を非難するほどの大義はないように思えます。

 

私の目からはペンス副大統領は健闘したと思います。

願わくばトランプ大統領は、ペンス副大統領の冷静さを見習って欲しいものです。

 

 

管理者 黒岩留衣

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