レストランはパンデミックを乗り切るためにテイクアウトに素早く転換しましたが、持ち帰り用の容器を選択するのには苦労しているようです。
フライドポテトが湿気でねっとりしないようにしなければなりません。
寿司のトッピングがだらしなく見えるのを防がなければなりません。
こうした課題は追加コストの抑制と広範囲にわたるパッケージ不足を軽減させながら対処しなければなりません。
これらは、レストラン業界が直面する持ち帰り容器を巡る困難な物語の1ページです。
シェフやレストランのオーナーは、パンデミックが収束したとしても、当面の間は外食を避ける傾向は続くと考えており、途中で食べ物がバラバラにならないように、より良い容器に投資することが増えています。
そして可能であれば、自宅でもレストランの雰囲気を再現させたいと願っています。
多くの高級レストランは最近までテイクアウトをまったく提供していませんでした。
そのため、顧客の家に持ち帰るまでロブスターと寿司を最高の状態に保つための学習の必要に迫られました。
ギャリー・カンファー氏は、彼がニューヨークで経営する和食レストラン「きっさき・おまかせ(Kissaki Omakase)」の持ち帰り用容器を作成するために少なくとも70,000ドルを費やしたと述べました。
このレストランでは、1人あたり150ドルのマルチコースの伝統的な日本食ディナーを提供しています。
キャビアをトッピングした寿司もあります。
課題は、人々が巻き寿司に20ドル、又はにぎり一貫あたり7ドルを支払いたいと思うような方法で魚を包装する方法を見つけることでした。
彼は、レストランの入り口にある壁画に似た芸術的な魚の絵をあしらい、まるで高価な靴や高級バッグのような容器をデザインしたと述べました。
しかし、総料理長は、トッピングがめちゃくちゃになるのではないかと心配していました。
「彼はそれがブランド価値を劣化させるかもしれないと心配していたようです」とカンファー氏は述べています。
彼はシェフやスタッフに「私たちは新しい世界に適応する必要がある」と言いました。
配達員が芸術的に飾り付けられた寿司を落とすなどのハプニングがたまに起こったにもかかわらず、顧客の反応は概ね好評だったようです。
多くの顧客がパッケージの写真をソーシャルメディアに投稿しています。
当面の課題は、米国が品不足に直面しているため、当初はアジアから輸入した商品を、出来れば国内のパッケージの供給業者から購入したいと考えていることです。
「当面の需要を考慮した場合、私たちは長期的な取引が必要だと考えています」とカンファー氏は言いました。
レストラン向けの容器を販売している「ミスター・テイクアウト・バックス」の社長であるスコット・ヴァザレムス氏は、このパンデミックにより、紙袋などの基本的なアイテムでさえ不足していると述べています。
「それは日々挑戦です。需要と供給の差を埋めるために輸入パートナーを探しています」と彼は言いました。
彼は、パンデミックが到来するまで、何年にもわたって不正開封防止シール付きのパッケージの販売は「稀」だったが、現在、生分解性プラスチックを含むその種のバッグの需要が高いと付け加えました。
シカゴで高級テーキハウス「ブーフハウス」の共同所有者兼総料理長であるブライアン・アハーン氏は、彼の最大の不満の1つは、テイクアウトでポテト付きステーキを販売できないことだと述べました。
「フライドポテトが湿気を吸ってしまうからです」と彼は言いました。
「誰かがフライドポテトが常に揚げたて新鮮で、サクサクした食感を維持でき、ふやけたりしないのに役立つ持ち帰り用のパッケージを開発したら、その人は億万長者になれるでしょうね」
結局、アハーン氏はフライドポテトをメニューから諦めることにしました。
テイクアウトの注文に慣れているはずの大手チェーンレストランでさえ、パンデミックを巡ってパッケージングに難を抱えています。
製造業者は、多くの都市がレストランでのカクテルの販売を許可し始めたため、ドリンクトートも不足していると述べました。
一部の都市の顧客は、品不足のために同じものを持ち帰って再利用していると報告しました。
米国南部に200店近くのレストランがあるファストカジュアルのチキンチェーンであるゴールデンチックもご多分に漏れず、適切なサイズと種類の持ち帰り用の箱を見つけるのに苦労しています。
チェーンの社長であるジム・スティーブンスは「もう1つ心配しなければならないことがあります」と述べました。
それはコストです。
現在、安全を考慮して内部パッケージを備えた二重構造の密封バッグを使用していますが、Covid-19が続く限り、追加の費用が彼らの利益を圧迫するだろうと述べました。
持ち帰り用のパッケージや配達の注文が増えるにつれ、一部のレストランは廃棄物の増加も懸念しています。
「私たちが今持っているものは今のところうまくいっていますが、もっと環境に配慮したものを見つけたいと思っています」とブーフハウスのアハーン氏は言いました。
「各食事のパッケージの量は非常にワイルドです。懸念しないわけにはいきません」
The Wall Street Journal