昨日の午後、大きなニュースが飛び込んできました。
北朝鮮が南北国境沿いにあるケソン工業団地内にある南北連絡事務所を破壊しました。
このニュースはBBCが時間を置かずに速報したほか、日本やアメリカのメディアもトップ級で伝えるなど、注目が集まっています。
北朝鮮の最高指導者、金正恩には息子がいると伝わっていますが、まだ年齢的に幼く、統治は無理だと言われています。
健康問題で不穏な噂が絶えない金正恩は後継者を定めていないことになり、彼の妹である金与正に注目が集まっています。
言い換えるならば、核のボタンを誰が継承するのか定まっていないことになり、この地域の安全保障体制は一気に不安定化する可能性が高いと思われます。
仮に、この国の最高指導者である金正恩が、健康上の理由で後継者を見出さなければならないとしたら、彼女がいわゆる『白頭血統』の一員であることを考慮した場合、彼女、すなわち金与正に権力が委ねられることが、最もシンプルであることに気がつくことでしょう。
ただし、万が一にも彼女以外の者が権力を継承した場合、新しい指導者は彼女を非常に強力なライバルとして敵視することは疑いの余地がありません。
つまり、金与正は最高指導者としてのマントを羽織るか、或いは全ての権力を剥奪されて、潜在的には命すら脅かされるかの二択になるでしょう。
北朝鮮は(実は韓国もそうですが)古典的な儒教思想が国家の中心に存在するため、徹底した男尊女卑の社会構造をもちます。
女性に国家の命運を委ねることに抵抗感を覚える将校も多いと思われ、彼女が仮に軍を掌握する必要に迫られるのであれば、彼女は相応の実力を証明する必要があるというわけです。
彼女自身が異母兄や叔父と同じような非業の死を回避するために。