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米国が在ヒューストン中国総領事館の閉鎖を命令

by 黒岩留衣
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昨夜、驚きのニュースが飛び込んできました。

アメリカがヒューストンにある中国領事館の閉鎖を命令しました。

これは明らかにアメリカと中国との間の外交的殴り合いにおける重要な進展となるはずです。

CNNやBBCをはじめ、ほぼ世界中の報道機関が速報で報道しましたが、続報に乏しく、背景が理解できません。

 

ヒューストンの中国領事館の閉鎖命令は、アメリカ司法省が、中国人の二人のハッカーが、中国政府の指揮の下、新型コロナウイルス に関する研究データ他を不正に盗み出そうとしていたとして起訴した直後の出来事でした。

今の段階で関連があるか否かは不明ですが、まずはこの二人の中国人ハッカーの記事についておさらいしてみます。

 

米国司法省は、Covid-19ワクチンを開発している研究所を標的にした二人の中国人ハッカーを支援したとして中国を非難した。

当局は火曜日、新型コロナウイルスの研究をする米企業に対して、諜報活動を行った疑いで、中国人の男2人を訴追したと発表した。

企業秘密の窃盗や通信詐欺を共謀したなどとして訴追されたのは、大学で電子工学を学んだ元学生の李嘯宇被告と董家志被告。

二人は今年1月、COVID-19に有効な治療法を研究していることで知られるマサチューセッツ州のバイオテクノロジー企業に対して諜報活動を行ったとされる。

 

2人はまた、メリーランド州の企業もハッキングした疑いがある。

この企業がCOVID-19の研究を行っていると発表してから1週間もたたないうちに犯行に及んでいた。

当局は2人について、中国国家安全部(CMSS)など中国の諜報機関から時折支援を受ける民間人ハッカーだとした。(参照:BBC

 

実はマサチューセッツ州に本拠地を置くバイオテクノロジー企業は複数あります。

BBCの記事では、二人は今年1月に犯行を行ったとされていますので、その時点で犯行を促すだけの情報を持っている企業となるとそう多くはないので、おそらくモデルナ社ではないかと思われますが、確信は持てません。

それでも1月というのは驚きです。

私が個人的に書き留めていたニュースのスクラップでは日本国内で最初のコロナウイルス感染者が確認されたのは1月16日の記事となっています。

これほど早い段階で、コロナウイルス関係の情報を盗み出そうとしていたというのは合点がいきません。

 

まるで、世界中にコロナウイルスのパンデミックが広がっていくことを予測できていたかのような印象を持ちます。

この時、中国国外で感染が確認されたのは日本とタイの二カ国だけであり、中国では2人目の死者が確認されたと報道された日でした。(参照:BBC

 

検察は、2人は2009年から「数億ドル相当の企業秘密、知的財産、そのほかの有益なビジネス情報」を盗んでいたと主張した。

ワシントン州で公開された訴状によると、中国在住の男2人は最近「COVID-19ワクチンや治療、検査技術の研究で公に知られているバイオテクノロジーやほかの企業のネットワークの脆弱性を調べていた」という。

企業が標的にされた国には、オーストラリアやベルギー、ドイツ、日本、リトアニア、オランダ、スペイン、スウェーデン、イギリスなどが含まれる。

訴状によると、2人はイギリスの人工知能企業やスペインの防衛関連企業、オーストラリアの太陽光エネルギー企業への侵入に成功したという。(参照:BBC

 

記事が正しければ、この中国人のハッカーは11年も前からハッキングを繰り返していたことになります。

記事中で『大学で電子工学を学んだ元学生』と書かれていますので、在学中から犯罪を繰り返していたのかもしれません。

 

FBIのクリストファー・レイ長官は、今や全米で捜査中のスパイ事件約5,000件のおよそ半数は中国が関与していると発言しています。(参照:BBC

レイ長官の発言が事実であるなら、中国のスパイやハッカーは、アメリカ国内に数万人規模で存在し、暗躍しているということになります。

 


 

そして今日、日本時間の7月22日の午後6時頃、米国が中国に対し、テキサス州ヒューストンにある総領事館に対し、閉鎖命令を出したと、中国政府が発表したとの報道がありました。

領事館への閉鎖命令は前日の21日に出されており、中国は1日おいて発表したことになります。

 

報道によれば、21日夜、ヒューストン市中心部にある中国総領事館の中庭から煙が出ているとの通報を受けて警察と消防が出動したそうです。

地元メディアは、敷地内で職員らが文書を焼却している場面とみられる映像を公開しています。(参照:KPRC2

 

この映像を見る限り、複数の場所で書類と見える何かを燃やしていますが、かなりの規模のように見えます。

狭い中庭と思われる場所から3つの炎と煙が上がっているのが見えます。

インタビューに答えた通行人の男性は「紙が燃えている匂いがした」と証言しています。

 


中国当局から、何のためにわざわざ、大量の書類を、領事館の中庭で『焼却』する必要があったのかについての回答はありません。

 

上院諜報委員会の代理議長であるフロリダ州選出の共和党上院議員、マルコ・ルビオはヒューストンの中国領事館を閉鎖することは「その必要があるからだ」とツイッターに書いており、それは「外交施設」などではなく「中国共産党の広大なスパイネットワークの中央集約地である」と主張し「72時間以内に退去せよ。然もなくば逮捕する」と述べています。

 

 

一方、中国共産党の機関紙グローバル・タイムズ紙の編集者である胡錫進氏は自身のツイッターで「これはクレイジーな動きだ」と反論しています。

 

 

 

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