著名な米国当局者が過去2か月で2度目となる台湾を訪問しています。
これは、中国が一連の軍事訓練を通じて台湾への軍事圧力をエスカレートさせているため、アメリカと台湾の関係を強化しようとする最新のシグナルです。
経済成長・エネルギー・環境担当次官のキースJ.クラック氏は、現地時間の木曜日に台湾に到着し、土曜日におこなわれる元台湾総統である故・李登輝(リー・デンホイ)氏の追悼式典に米国政府を代表して出席する予定です。
クラック次官による訪台は、8月中旬にアレックス・アザール米国務長官が台湾を訪問して以来、およそ1か月余りぶりです。
アザール長官の訪問は、表向きの理由としてははコロナウイルス予防策について話し合うことでした。
一方で、トランプ政権による台湾支援を明確にするための非常に象徴的な政治ショーでもありました。
アザール長官は過去数十年で台湾を訪問する最高レベルの米国当局者でした。
流血の内戦の終結後、1949年に台湾が中国本土から分裂して以来、米国は台湾と密接な関係を維持しています。
しかし、1979年にワシントンと北京が正式な外交関係を樹立して以来、米国は、中国政府を刺激しないように、政府高官を台北に派遣することを大いに控えてきました。
中国の最高指導者である習近平国家主席は、台湾を本土と「再統一」するという野心において明確であり、中国共産党が台湾を直接統治したことは一度もないにもかかわらず、武力行使の排除を拒否しています。
専門家らによると、8月30日に97歳で亡くなった台湾元総統に敬意を表するクラック氏の意向は、北京当局を怒らせる可能性が高いと言われています。
リーハイ大学国際関係学部の准教授である李南氏は、李登輝氏は「台湾は中国本土とは別の存在である」という考えを浮上させた台湾初の指導者であったと語りました。
「そのことが彼を北京にとって最も忌むべき人物の1位か2位に押し上げました。故にこの人物に敬意を払うことは、トランプ政権が本気で北京に警戒心を向けていることを暗示しています」と彼女は言いました。
国務省の広報担当官モルガン・オルタグス氏は、李登輝氏に対して「台湾で最初に民主的に選出された総統であり、民主主義、経済繁栄、開放性、法の支配の新時代を迎えた人物」と評し賛辞を捧げました。
これに対して中国の外務省スポークスマン汪文斌は木曜日、米国と台湾の公式な交流を「直ちに止めなければならない」と述べました。
「中国は、米国と台湾の間のいかなる公式の交流にも強く反対する。この立場は一貫しており、且つ明確である」と彼は付け加えました。
CNN