みなさん、気を引き締めてください。
それは秋が近づくにつれて、ヨーロッパ、イギリス、カナダの指導者たちから寄せられたメッセージです。
澄んだ空気と共に、暗黒のパンデミックの冬が到来する予兆があります。
ヨーロッパは「決定的な瞬間」に直面しています。
英国は今「転換期」にあります。
カナダ人はおそらく来月の感謝祭に集まることは許可されないでしょう。
指導者たちは、感染数が減少することなく、むしろ再び増加し、人々がすでにパンデミック制限にうんざりしており、そしてこれから涼しい季節に向かっていく国々のリスクを強調しています。
彼らは、今年の最初の9か月で世界中でほぼ100万人が亡くなり、さらに多くの人が死亡すると予想されている致命的な病気の深刻さを強調しています。
そして、それらは世界最悪の感染国である米国で、終始発生の深刻さを軽視しようと努力を積み重ねてきたトランプ大統領とは対照的です。
専門家は以前から、厳しいコロナウイルス感染対策を超えて、夏休みの休息に入り、やがて人々が学校やオフィスに戻ることで、より多くのcovid-19症例が発生するだろうと予測していました。
今、秋がやって来て、感染者は急速に増えています。
天気が寒くなり、活動が室内に移り、風邪やインフルエンザの季節が来ると、感染がさらに拡大することは疑いの余地がありません。
各国の指導者たちに、次の波の力を鈍らせるために与えられた時間的余裕は僅かしかありません。
「事実上、9月まです」トロント総合病院の感染症専門医であるアイザック・ボゴック医師は述べました。
「あなたが北半球に住んでいるなら、(10月になれば)長い秋と、その後に冬がやってきます」
なぜ感染者数が上昇しているのか、あるいはそこで今、何が起こっているのかについての謎は多くありません。
残酷な春が通り過ぎた後、多くの国が6月、7月、8月までコロナウイルスの制限を緩和し、市民にいくつかのささやかな楽しみを与えました。
家族との訪問、パブでの飲酒、パーティーなどです。
その後、8月末から9月にかけて、多くの国の子供たちが学校に戻り始め、より多くの親がオフィスに戻ることができるようになりました。
生活様式が半ば正常に戻ったことで、感染の危機が高まったことは明らかです。
恐怖すべきは、地域社会への感染が続き、入院と死亡の急増につながることです。
EUの最高幹部は、多くの国を巻き込んだ新たな感染の波について悲惨な警告を出しています。
「私たちは決定的な瞬間にいます」と保健衛生問題の欧州連合の最高幹部であるステラ・キリヤキデス委員は木曜日にそう言いました。
「誰もが断固として行動しなければならない」と彼女は述べています。
「悲惨な春の再発を防ぐための最後のチャンスかもしれません」
WHO(世界保健機関)も同様のメッセージを提供しています。
WHOのヨーロッパ担当地域ディレクターであるハンス・クルーゲ氏は、この状況を「非常に深刻」と表現しました。
クルーゲ氏は先週、記者団に対し、ヨーロッパ諸国の半数が過去2週間で10%を超える症例の増加を報告したと語りました。
このうち7か国では、感染者は2倍になりました。
フランスは既に警戒態勢にあります。
先週、ジャン・カステックス首相は「状況の明らかな悪化」について語りました。
フランスの保健省は水曜日に、疫学者が「第二波」と呼んでいるものを抑制し、病院への負担を軽減するために新しい制限を課しました。
パリを含む特定の都市部では、集団の規模が制限され、バーは午後10時以降にサービスを停止する必要があります。
英国では、楽観主義から警戒体制にシフトしています。
今月、ボリス・ジョンソン首相は、政府が毎日1000万人のイギリス人をテストする「ムーンショット計画」を発表し、日常生活の一部の側面が「クリスマスまでに通常に戻る」ことを期待していると語りました。
「ムーンショット 」とは、かつての米国の国家的大事業であったアポロ計画に由来する言葉で、転じて壮大で困難な国家的プロジェクトを意味する用語として使われています。
予想される予算は推定で1000億ポンド(約13兆8000億円)以上。
検査能力を現在の1日35万件から来年初頭までに30倍の最大1000万件に拡大する計画です。
一方で月曜日に、英国政府の主任科学顧問であるパトリック・ヴァランス卿とイギリスの最高医療責任者であるクリス・ホイッティ博士は、感染数はおよそ7日ごとに倍増していると語りました。
その率が保たれるならば、10月中旬までに1日あたり50,000人を突破する可能性があると彼らは警告しました。
ジョンソン首相は記者会見で「今こそ、私たち全員が、規律と決意、そして団結の精神を呼び起こす時だ」と述べました。
政府の発表によれば、パブやレストランは午後10時までに閉店する必要があります。
マスクは、タクシーの運転手、小売店の労働者、バーやレストランのスタッフなど、特定の労働者には必須となります。
すでに季節が変わり始めているカナダでも、心配な状況にあります。
国の4つの州での感染急増により、春の終わりから初夏にかけての減少傾向が逆転しました。
公衆衛生当局は、新たな症例のほとんどは20〜39歳の若年成人に集中していると述べていますが、新型コロナウイルスがより大きなリスクのある人々に蔓延するのは時間の問題です。
感染の指標である入院患者数は、ゆっくりと上昇しています。
公衆衛生当局は、国が現在の道を歩み続ければ、10月末までに1日あたり5,000件に達すると発表しました。
ヨーロッパと同様に、これまでのところカナダ当局は、より小規模で対象を絞った局所的な制限を選択しており、春先のような広範囲にわたる都市閉鎖を回避することを切望しています。
ジャスティン・トルドー首相は、冬の封鎖を回避し、冬のホリデーシーズンを救うには、人々の行動を変える必要があると強調しました。
感謝祭(カナダでは12月12日)はおそらく何らかの制約があるだろうと彼は水曜日に全国的にテレビ放映された演説で述べました。
しかし、カナダ人の現在の反応次第では、クリスマスにも「一撃を加える」かもしれません。
「第二波は始まったばかりではありません」と彼は述べています。
「それはすでに進行中です」
(参照:The Washington Post)
イギリスの1日1000万人の検査計画ってすごいですよね。
これには多少の事情があって、ジョンソン首相は、遅々として進まないEUとの貿易交渉やウイルスの感染拡大をめぐって国内で激しい批判にさらされており、特にスコットランド自治政府のニコラ・スタージョン首相は英国からの分離独立を唱えているので、彼としては指導力に陰りを見せるわけにはいかないと言う厳しい状況下にあります。
一方で、大規模検査をして「陰性」と判定されても、潜伏期間中などの理由から一定の誤判定が発生することが指摘されており、科学者は「成功は保証できない」と警告しています。
万が一、英国がパンデミックの第二波を抑制できなかった場合、英国連邦からのスコットランドの独立機運に再び火が付く可能性があります。