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CNNオピニオン:トランプは有権者の投票権を阻害しようとしている

by 黒岩留衣
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水曜日、トランプ大統領は11月の大統領選挙でジョー・バイデン候補に敗れた場合、大統領職の平和的な権力移転を保証することを拒否しました。

トランプ大統領は、扇動的な政治的緊張を繰り返すことで、アメリカを暗黒の場所へと導いているように見えます。

郵送投票への攻撃を含んだトランプ氏の非難は、ほぼ250年の歴史を有する民主共和制政府を支えてきた民主主義に重大な脅威をもたらしました。

 

トランプ氏は同日の記者会見で、大統領選で民主党候補のバイデン前米副大統領に敗北した場合、平和的な政権交代を約束するかとの記者団からの質問に対し「まあ、私たちは何が起こるかを見なければならないだろう。私は郵便投票について非常に強く不満を言っており、郵便投票は災害だ」と述べ、明言を避けました。

大統領のコメントは、彼が絶え間なく暗褐色に変色させている大統領​​選挙に、さらなる打撃を与える危険を冒しただけでなく、民主党の候補者が勝利した場合の対応方法について、自己の支持者にある種のシグナルを送ることでもありました。

「このイカサマは連邦最高裁判所に持ち込まれるだろう」と彼は述べました。

この大統領の発言は、選挙の正統性を裁定するために最高裁判所が召集される可能性が高いという内容のものであり、指名プロセスに新たな怒りを引き起こす恐れが十分にあります。

最高裁判所判事の新しい候補者が今後数週間で任命された場合、トランプ大統領によって指名され、任命された新しい判事が、彼の政治的野心と命運を保護するよう要求される可能性を高めます。

トランプ大統領が来たる選挙戦の勝者として浮上することに失敗した場合、バイデン氏に対する彼の勝利を無効化する計画について、彼がこれほど率直であるのを見るのは驚くべきことでした。

この発言は、この夏の人種的対立および社会的不安を考えると特に危険です。

 

彼の反民主主義的本能と彼自身の政治的利益の優先順位は、国家的危機の只中で、アメリカ人の生命と健康、米国選挙の神聖さ、最高裁判所への信頼などではなく、彼自身の二期目の勝利を優先しているかのようです。

毎度騒動を引き起こすトランプ氏の最近の試み(ほとんど毎日の儀式のようになっている)は、彼自身の利益のために政府の伝統的なメカニズムを破壊しようとする新しい努力の1ページです。

人々は、故ルース・バーダー・ギンズバーグ最高裁判事の棺がワシントンDCの米国最高裁判所に到着するのを待っている。

過去100年で最悪の公衆衛生の緊急事態に立ち向かうために必要な健全な科学を拒否するトランプ氏の新しい兆候もありました。

トランプ氏は、可能性のある冬の第2波について警報ベルが鳴っているこの瞬間に「Covid-19は消滅へ向かっている」という偽の現実を押し付けています。

アメリカがパンデミックで20万人目の死を記録した翌日に顕現した大統領執務室からの新しい啓示は、危機を終わらせるためにあるべきはずのホワイトハウスの取り組みが、トランプ氏の政治的利益に応えるために体系的に捻じ曲げられていることを示しています。

それは近代の歴史における大統領の影響力の最も利己的で、且つ最も劇的な操作です。

 

政治的干渉はまた、連邦医薬品局(FDA)が、人々が重篤な副作用に苦しむことのないように、Covid-19ワクチンの緊急採用に慎重な基準を検討していた時にも波及しました。

このような慎重な判断は、選挙日の前にワクチンが承認されることをほとんど不可能にし、トランプ氏の「オクトーバー・サプライズ」発表の期待を打ち砕くことになるでしょう。

 

トランプ氏は、ワクチンを製造している企業は偉大な成果を挙げている一方で、FDAはディープ・ステートによって汚染されており、その政治的陰謀のためにワクチンの緊急採用を妨害しようとしていると述べて非難しました。

トランプ氏のそのような態度は、ワクチンを評価する医学を長い間支えてきたセーフガードを打ち砕く恐れがあります。

また、パンデミックを終わらせるための最良の機会を提供するはずのワクチンに対する国民の信頼をさらに損なう可能性があります。

 

大統領の擁護者は、しばしば彼の発言を文字通りに受けとめすぎているとメディアを非難します。

しかし、トランプ氏の過去の行動からくる経験と、選挙への彼の絶え間ない攻撃は、バイデン氏が勝利した場合でも、その政治的権力を維持するために米国の民主主義に前例のない攻撃を仕掛ける可能性のある彼の脅威について、真剣であるべきことに疑いの余地はありません。

もし彼がそのような試みに成功したとしたら、米国はその政治体制に回復させ難い歴史的な損害を被るでしょう。

 

(参照:CNN


最近の各種の人口統計の予想によれば、米国は今後10年でマイノリティが各主要選挙区の数的多数を占めるようになると予想しています。

つまり伝統的保守層を構成する白人層が、近い将来には数的に「マイノリティ」に転じることが予想されています。

彼らは自らが少数派に転じることにより、少なくとも政治的勝者から敗者に転じることを恐れているように見えます。

トランプ大統領による「民主主義の伝統を破壊しようとする行為」が如何に暴挙であったとしても、一定数のトランピストたちが彼を熱心に支持する理由がそこにあるのかもしれません。

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