ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務次官は新たな核軍縮協定に関する米国との交渉を巡り、トランプ政権の主要な提案を拒否しました。
大統領選を控え、ロシアとの新たなる枠組み合意を目指していたドナルド・トランプ政権にとっては痛手となりそうです。
ロシア側の交渉責任者であるリャブコフ氏はウォール・ストリート・ジャーナルに対し、新条約でロシア、中国、米国の全ての核弾頭を対象とし、査察体制を強化すべきであるとするトランプ政権の要求は「われわれにとっては明白に論外だ」と述べました。
2011年に発効した新戦略兵器削減条約(新START)は期限切れが迫っています。
リャブコフ氏は、もし米国が条約を失効させ、新たに核戦力の拡大に動けば「対抗する用意ができている」と述べました。
トランプ政権はこれまで、ロシアは米国との軍拡競争激化の回避を望んでいるとの前提で交渉戦略を立ててきました。
米側は8月に新条約の枠組みを提案、ロシアの短距離核兵器を含む全ての核弾頭の制限や査察体制の強化、さらに中国の核戦力も対象とするとし、ロシア側に合意を求めていました。
The Wall Street Journal