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米国の衰退を嘲笑する中国

by 黒岩留衣
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水曜日、世界が米国大統領選挙の行方について翌日以降の発表を意識し始めた夜、トランプは一方的な勝利宣言を行い、根拠を示さないままにライバルの不正投票を主張し、法的訴訟を行う事を表明しました。

 

米国の有権者による投票は今も集計され続けており、そのため選挙戦の勝者を覆い隠され続けており、明確な勝者は未だ現れてはいません 。

開票が遅れている中、他の民主主義国家が手本と仰ぐべきアメリカの国際的なイメージは、特に同盟国の間で大きな打撃を受けました。

 

アジアで最も近しいアメリカの同盟国であり、戦後の憲法が主にアメリカ人の手によって書かれた国:日本では、米国の選挙の最新情報がテレビニュースを支配しています。

日本の毎日新聞は「民主主義の本質的価値に疑問を投げかけた出来事」と評価し「分裂を扇動し、混乱を増幅する責任はトランプ氏にある」と付け加えました。

アラブ首長国連邦(UAE)の国営英字日刊紙の1つであるナショナル紙は、コロナウイルスのパンデミック、及びこれに伴う経済危機、そして現在進行中の大統領選挙を通して、米国に深刻な分断が見受けられると嘆きました。

 

米国の選挙を監視した欧州安全保障協力機構の委員たちは、トランプ氏のコメントを「根拠がない」と批判し「民主的機関に対する国民の信頼を傷つける行為」と警告しました。

東京の双日総合研究所のチーフエコノミスト、吉崎達彦氏は「アメリカは常に楽観的で前向きな思考を形成してきた」と語る一方で「それでも、過去4年間で、私たちは米国の暗い側面を見るようになりました」と続けました。

 

木曜日、同じような感想がヨーロッパで繰り返されました。

ドイツの左派寄りの週刊誌シュピーゲルは、トランプを「落日のローマ皇帝」と比喩しました。

同紙の保守派のライバル紙であるヴェルトもまた、同様の比喩を選択しました。

アメリカの選挙を揶揄する内容のピンバッジ

 

「まるで発展途上国のようだ」

今週、中国のコメンテーターは国営タブロイド紙の環球時報で、世界で最も強力な民主主義国家で選挙後に暴動が発生する可能性を指摘した上でそのようにコメントしました。

中国の批判家は、トランプ大統領からの不正選挙の根拠のない主張、新たな法廷対決、そして耐えがたい内部分裂の見通しを指摘し、米国の同盟国とライバル国の両方からの幅広い懸念を代弁しました。

 

国営新華社通信の編集者ワン・ジンウェイ氏は、選挙の結果がどうであれ、第二次世界大戦の終結以降に受け継がれてきた米国の世界的なリーダーシップを取り戻すことは『ほとんど期待できない』と論評しました。

「事実は言葉よりも雄弁です。中国人の大多数は、米国の政治的分裂、経済の停滞、社会的混乱の現実を正確に見抜いています」と彼は述べています。

 

自由民主主義への批判は、中国共産党が強力な権力を握っている中国にとって目新しいことではありません。

例えば、ジョージ・W・ブッシュとアル・ゴアの間で争われたの2000年の大統領選挙が、最高裁判所によって解決される前に論争に巻き込まれたとき、中国のメディアは米国の選挙制度が「実際には完全ではない」と穏やかに指摘したことがありました。

 

ですが今回はもう少し音色が厳しかったようです。

「民主主義はアメリカを再び偉大にすることも、パンデミックからアメリカ人を救うこともできなかった」と今年初めに「アメリカの時代の終焉」と題したエッセイを書いた中国人民大学のワン・ウェン教授は述べています。

「もはや私たちが過去に知っていた米国ではなくなった」とワン・ウェン教授はワシントンポスト紙に語りました。

 

北京がワシントンを政治的干渉として非難した香港では、共産党が管理するタ・クンパオ新聞が、ワシントンの「二重基準」の例として選挙の混乱を伝えました。

「腹立たしいのは、アメリカ人自身がいわゆる真の普通選挙権を拒否するくせに、香港にはそれを促進するように要求することです」とタ・クンパオは意見を述べました。

「米国の選挙は民主主義のモデルではなく、民主主義の醜悪さのデモンストレーションです」

「それは世界的な笑いの種です」

 

ある中国人ユーザーは、米国の民主主義の状態を「ベラルーシまたはベネズエラのレベルにまで堕ちた」と非難しました。

別のユーザーは、アメリカの深刻な分裂を揶揄して、中国式の「一国二制度」の枠組みを採用すべきだと提案しました

「いっそ米国を2つに分ければいいのだ」

「そうすれば無為に対立しなくて済むではないか!」

 

以下の記事を参照しました

‘The whole world waits’ with unease as drawn-out, contested election batters America’s global image

China is awash with schadenfreude over U.S. election tumult

The Washington Post

民主主義に対する中国の批判はある種の「皮肉」であり、国営メディアから渡された「脚本」のようなものです。

日本のテレビ番組の自称コメンテーターがあらかじめ番組のディレクターが用意した台本を読んでいるのと同じことです。

 

中国にあってはトランプ氏や米国の政治家を嘲笑する投稿やコメントが氾濫していますが、一方で習近平に少しでも不遜な投稿するユーザーは、投獄の可能性を含め、即座に厳罰に直面します。

この一点を指摘するだけで彼らが民主主義を嘲笑する資格がない事を立証できます。

 

民主主義は、他国を嘲笑う事にではなく、自国の政治体制を批判する事にこそ本質的価値があるのです。

そう中国に主張するためにも米国には、暴動だけは避けてもらわなければ困ります。

 

管理者 黒岩留衣

 

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