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タイの抗議行動激化、国家緊急措置を発令

by 黒岩留衣
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木曜日、タイは緊急法令を発布し、かつては不可侵だったはずの君主制、特にタイ国王を直接狙った抗議行動を終わらせるために、5人以上の集会を禁止し、メディアコンテンツを制限すると発表しました。

少なくとも20人の抗議者と3人の著名な活動家の逮捕劇を含むこの物語は、主に若者主導の民主化運動に対する当局の取り締まり強化の最初の兆候を示すものです。

逮捕された人々の中には、ペンギンというニックネームでよく知られている22歳のパリット・チワラック氏と人権弁護士のアノン・ナンパ氏が含まれています。

 

2020年10月15日:バンコクで抗議者を政府庁舎から撤退させる機動隊員。

 

それでも午後遅くまでに、警察に反抗して集まった抗議者たちの数は数千人に膨れ上がり、若者を中心にしたデモ隊が君主制改革をより明確に求めることで、王国をこの国の歴史上、もっとも不安定な新章に押し込みました。

警察は緊急命令を理由に、集会で少なくとも2人を逮捕しました。

 

国営テレビで発表された政府の緊急法令は「平和と秩序を維持」し、バンコクでの「違法な集会」を終わらせるために必要であると述べました。

夏の間、若い学生の抗議者に率いられた何万人ものタイ人がプラユット・チャンオチャ首相に反対し、タイ憲法の改正を要求しました。

彼らは世界で最も厳しい不敬罪のいくつかによって保護されており、何十年もの間、タイで神にも等しい地位を享受してきたタイの君主制に焦点を合わせてきました。

 

当局は、デモ隊がタイの女王を乗せた王室の車列に向かって、三部作映画「ハンガーゲーム」からインスパイアされた『抵抗の象徴』である三本指の敬礼を突きつけた水曜日の抗議に応えて法令が出されたと述べました。

君主に対するこのような不満の直接的な表示は、数ヶ月前ではとても考えられませんでしたが、今では運動が勢いを増し、抗議者がタイ国王をあざけるバナーやポスターを掲げるほどに明確に示されるようになっています。

王室の車列に対する抗議の後、抗議者たちは警察の制止の列を突破し、首相官邸に向かって行進を始めました。

彼らは翌早朝に機動隊によって解散させされるまで、数千人が夜通しそこに集まりました。

 

緊急法令は「恐怖を生み出す」または「国家安全保障に影響を与える」可能性のあるニュースやメディアの公開を禁止し、警察は当局によって指定された地域への人々の立ち入りを阻止する権限を持ちます。

警察は抗議者たちに、集会に参加する者は逮捕によって罰せられるだろうと警告しましたが、木曜日の午後遅くに、バンコクのラチャプラソン交差点で数百人の抗議者たちは警察官の制止の列を突破しました。

市内で最も頻繁に利用されるショッピング街および観光地区の1つが閉鎖されました。

膨れ上がった抗議者のグループは交差点を占領し、警察官に抗議の声を投げかけました。

 

「独裁政権は真摯に民衆に向かい合わなければならない」

マイク・ラヨンの通り名でも知られる運動家パヌポン・ジャドノクは叫びました。

「我々は断じて退かない。 死ぬまで戦い抜く」

 

王族の車列に向かって三本指をフラッシュする抗議のデモ隊

 

彼は、逮捕された学生指導者へ言及し「我らが友を解放せよ」というスペルを詠唱して抗議者たちを導きました。

タイの抗議運動は、経済情勢が悪化する中、民主主義の腐敗に対する長年の不満に耐えきれず、7月頃に形になり始めました。

2014年のクーデターで軍事政府が政権を握った後、軍の将軍であるプラユットは昨年末に行われた選挙で勝利しました。

 

実際には投票は不正であり、与党が投票箱を通じて権力の掌握を拡大できるようにするための陰謀であったと広く見なされています。

若者に人気のある新しい民主化政党であるアナコットマイ党(現地の言葉で『新しい未来』を意味する)は、同じ選挙で3番目に大きな票を獲得しましたが、今年初めに解散を余儀なくされました。

 

タイの学生たちは抗議行動を主導しており、新しい国王が富と権力を引き継いだ時、若者たちは長年のタブーを破ることを決意しました。

タイは1932年に無血革命によって絶対君主制から立憲君主制に移行しましたが、宮殿は依然として幅広い権力を保持しており、国の経済的および文化的構造に深く組み込まれています。

君主制はまた、民主的に選出された政治家に対抗する軍事クーデターによって混乱に陥ったタイの政治的緊張を安定させることに背中を向けました。

 

ヴァジラロンコン王は、父であるプミポン国王の死後、2016年に王位に就きました。

前王は、70年間国を統治し、亡くなったときは世界最長の君主でした。

現王は1年のほとんどの時間をドイツで過ごし、タイの経済が新しいコロナウイルスの影響に苦しんでいるにもかかわらず、勝手気ままに振る舞い、惜しみなく贅を費やしていると見ているタイ国民の不満を買っています。

 

Thailand declares state of emergency to stop mounting anti-monarchy protestsより抜粋

The Washington Post


タイは観光立国で知られていますが、近年は中国からの観光客で賑わってきました。

中国人観光客はこの国の観光業の繁栄に大きく寄与しますが、反面、残念なことに、彼らは訪問国で様々なトラブルや迷惑を撒き散らす傾向があり、親中国派と反中国派に国論を二分し、対立を深めてしまうという副作用をもたらします。

米国やEUもそうですが「パンダ・ハガー(パンダをハグする人たち)」と「ドラゴン・スレイヤー(竜の国に剣を向ける人たち)」の対立は世界のほとんどの国や地域の頭痛の種です。

 

政治とは、言い換えれば富の再配分であり、利害の調整なのですが、タイはそうした利害の調整役を国王という伝統的権威に頼ってしまった感がありました。

現国王はいわゆる放蕩者であり、政治にも国内の混乱にも関心を示していません。

この国の軍事政権は、ミャンマーの軍事政権などと違って、この国を治める権力の正当性が希薄であり、それを補填するために現国王を政治利用しているわけです。

その意味では彼らこそが真の不敬者なのかもしれません。

余談ですが、タイでは人々の間で「現王朝は9代目で滅びる」という予言が広く流布していますが、現国王はまさにその9代目に相当します。

 

管理者 黒岩留衣

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