2回目の国家レベルの封鎖から2週間後、フランスはコロナウイルス感染の上昇を抑え込むという当初の兆候を見せてはいるものの、その努力の成果がウイルスを抑えるよりも前に、春の荒廃に匹敵するか、あるいはそれ以上の惨状に至る可能性さえあります。
毎日の新しい症例は最近減少し始めており、仏国保健省は、基本再生産率(1人の患者が何人に感染させるかの指標)が7月以来初めて1.0を下回ったことを指摘しました。
しかし、フランスでは1日に平均500人以上のコロナウイルス関連の患者が死亡しています。
人口ではるかに多い米国とインドだけが、ウイルスによってより多くの人々が命を失っている2か国です。
残酷な数字は、covid-19に起因する42,000人以上の死者をすでに見送っているフランスを窮地に追い込みました。
木曜日、ジャン・カステックス首相は、封鎖制限の完全な執行が少なくとも12月1日まで続くと発表しました。
レストラン、バー、ジムは12月まで閉鎖されたままになる可能性が高いということです。
彼はクリスマスの「家族のお祝い」の可能性について質問され、明言することをを差し控えましたが、人々はパーティーや大規模な集まりを「期待すべきではない」と警告しました。
この時点で、フランスでの全死亡原因の約4分の1は、コロナウイルスによるものであるとカステックス首相は述べています。
政府は10月の初め以来10,000人以上の余剰死者があったと憶測しており、少なくとも来週は死者が増えると予想していると彼は付け加えました。
4月には、毎日の死亡者数が4月3日の401人から4月10日のピークの1,101人に上昇するのに1週間しかかかりませんでした。
公衆衛生の専門家はこの秋、北半球でのウイルスの復活を予測していましたが、しばらくの間、死亡率は比較的低いままであるように見えました。
医療制度には準備する時間がありました。
最も脆弱な集団を保護する方法についての医学的理解も深まりました。
そして、抗ウイルス剤やステロイドを含む改善された治療戦略は、人々の回復を助けていました。
症例数の増加ほどには死亡者が増加しないかもしれないという考えは、今では希望的観測であったように思われます。
AP通信によると、死体安置所が溢れかえることを予想して、マルセイユのある病院が冷蔵トラックを借りたと伝えられました。
フランスの物語は他のヨーロッパ諸国の多くの物語と同じです。
症例は指数関数的に増加しており、医療システムは限界に近づいており、病院や老人ホームでより多くの人々が亡くなっています。
パリの一般医であるフィリップ・ファブリ医師は「私は夏の3か月間、covidの症例を見たことがありませんでした」と述べました。
しかし、夏の終わりに状況は一変したと彼は語っています。
「今では週に12〜15人の患者を診ています」
症例数の増加を考えると、死亡率も上昇したであろうことは驚くべきことではないとファブリ医師は述べました。
「それは論理的な物語です」
ヨーロッパの病院は、定員に達するまでの期間を計算しています。
フランスは大陸で一人当たりの死亡率が最も高いというわけではありません。
中央ヨーロッパ諸国では、人口の割合としてコロナウイルスによる死亡が増えています。
しかし、これらの国々は、ヨーロッパでの発生の最初の波を大部分見逃していました。
世界で最も優れた医療制度の1つであり、今年の上半期にすでにこれらすべてを経験しているフランスにとって、死亡者数の増加は特に悲惨です。
病院は限界に近づいています。
木曜日、「感染者は30秒ごとに入院し、30分ごとにICUに運び込まれています」とカステックス首相は言いました。
政府は、緊急でない手術を延期することにより、より多くの集中治療室を確保しました。
それでも、国の7,700のICUベッドの95%が既に占有されているとカステックス首相は言い、追加のICU容量がまもなく必要になるだろうと述べました。
一部のcovid-19患者は、集中治療室の余裕が大きい近隣地域に移送する必要がありました。
オリビエ・ベラン保健相は同日、120人の医療避難がこの秋にすでに行われたと述べました。
専門医によると、病院に入院する患者の場合、症例管理は第1波より第2波で改善されたとのことです。
パリ郊外のボビニーにあるアビセンヌ病院の呼吸器科医であるトーマス・ギレス医師は、フランスのル・モンド紙に「酸素療法ははるかによく規制されており、患者への挿管は以前よりもはるかに少ない」と語っています。
しかし、もちろん、信頼できる治療法はまだありません。
最近の死亡の大部分は依然として高齢の患者でしたが、カステックス首相は、第2波の間、ICU病棟に入院した患者の40%が65歳未満であったと述べました。
疫学者は、比較的若い患者は医師の診察を受ける必要性が少ないと感じるかもしれないと言いますが、それでも彼らの健康状態は急速に悪化する可能性があります。
「たとえば、75歳以上または糖尿病患者の場合、メッセージはおそらくかなり明確です」とパリを拠点とする疫学者であり、国境なき医師団の震源地の副所長であるマーク・ガステル・エチェゴリー医師は述べています。
「若い世代の人々の場合、周囲に渦巻く情報量が多すぎるため、逆に情報に向き合おうとしません」
「これは全体的に当てはまりますが、彼らの理解はそれほど深くはなく、正しい情報を持たない人ほど治療を求める傾向は低くなります」
このような致命的なウイルスの場合、死亡率を下げる最善の方法は、蔓延を抑制することです。
「言い換えるならば、公衆衛生ガイドラインに従うことです」とガステル・エチェゴリー医師は述べています。
モバイル追跡のデータは、フランスのほとんどの人が封鎖規則を順守していることを示唆しています。
しかし、警察は既に72,279人以上の違反者に罰金を科しました。
「現在取られている対策に従う必要があります。 それらは効果的です」とガステル・エチェゴリー医師は言いました。
これらの措置の一部は、春の厳格な国家封鎖よりも強化されています。
家の外への移動は「証明書」を使用して1日1回に制限されていますが、一方で学校は開いたままであり、春先よりも多くの企業が活動しています。
現在の対策で十分だとしても、それが死亡者の数を減らすようになるまでには時間的な遅れがあります。
春には、3月16日にロックダウンが始まりましたが、死者が減少し始めたのはおよそ4週間後の4月11日以降であり、この間、9,000人以上が死亡しています。
Coronavirus deaths cast a pall over France, two weeks into a national lockdown
The Washington Post
中国のポータルサイトである百度は最近、フランスではアジア人に対する人種的差別が激化しており、SNSを中心にして「アジア人を攻撃せよ」というメッセージが拡散していると警告しています。
こうした傾向はアメリカも同じで、アジア人に対する個々の暴力や差別は顕著になっているということです。
もちろん、こうした差別や攻撃は不当なものですが、中国当局の時代遅れの拡張政策や人権に対する攻撃的な姿勢が、欧米に根深く存在するアジア人差別に拍車をかけているのは事実です。
先日、ニューヨークでも日本人のピアニストが集団暴行に遭い、重傷を負うという事件がありました。
迷惑では済まされない話です。
管理者 黒岩留衣