水曜日、デンマークの農業大臣は、コロナウイルスの突然変異株を巡って1500万匹以上の養殖ミンクの全てを殺処分するという命令には法的根拠が欠如しているとの指摘を認めた後、政府への信頼の低下の責任を取って辞任を発表しました。
デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は、野党から同じことをするよう求められています。
モーゲンス・イェンセン農業相は辞任声明の中で「私はもはや大多数の議員の間で十分な支持を得ていない」と述べました。
今から2週間前、フレデリクセンは、デンマークの主要な収益源である国の養殖ミンクをすべて処分するよう政府に要求すると発表しました。
柔らかく暖かい高級毛皮が欧州の寒い天候の装いとして重宝されているミンクは、コロナウイルスの変異型の蔓延に関連しており、この変異ウイルスに感染した人々は、自己が産生する抗体の反応が弱く、そのため公衆衛生の専門家の間で、将来ウイルスと戦うために製造されるワクチンの効果に重大な影響を及ぼす可能性があると指摘されていました。
デンマーク政府は、変異型コロナウイルスの拡散を防ぐために、1,500万匹以上のミンクを殺害する計画を『撤回する』決定を下しました。
フレデリクセン氏は、これは「重大な決定」であるが、実行するには「断固たる決意」が必要であると述べました。
しかしBBCによると、命令から1週間も経たないうちに、推定285万匹のミンクがすでに処分されており、首相は政府がミンクの大量処分を命令する法的権限を持っていなかったことを認め、命令を撤回しました。
野党は「デンマークの民主主義の危機」を警告し、農民が一夜にして彼らから生計を奪われたことに強い怒りを表明したため、国は混乱と反発の渦中にあり、政府は窮地に追い込まれました。
オーフス大学の調査によると、政府の支持率は7月の75%から11月中旬には50%に縮小しています。
ミンクから発生した変異型コロナウイルスは、人にも感染するものと見做されています。
中道右派の自由党議長のヤコブ・エレマン・ジェンセン氏は11月10日、TV2に対し「デンマークの民主主義を巻き込んだ壮大なギャンブル」と表現しました。
火曜日、立法府の混乱と行き詰まりの数日間の後、政府は議会の過半数が、2021年までミンクの養殖を停止し、ミンク農家を財政支援するための法律の作成を支持したと発表しました。
計画を固めるための法案の裁決はまだ行われていません。
「政府はただプラグを引き抜いて終わりにさせることはできない」とミンク農家のフランク・アンデルセン氏はロイターに語っています。
「最初からやり直すことはできません。すべてが台無しになっています」
デンマークの感染症庁の職員であるタイラー・グローブ・クラウス氏はAP通信に「証拠を待っている場合ではない。迅速に行動するべきだ」と語りました。
世界最大の毛皮生産国の1つであるデンマークは、ミンク農場での変異型コロナウイルスの発生を報告している唯一の国ではありません。
オランダ、スペイン、スウェーデンも農場に関連した同様の感染事例を報告しており、既に数千匹のミンクの殺処分を促しています。
The Washington Post