米国やヨーロッパと比較すれば、東アジアの国々はコロナウイルスのパンデミックとの戦いのサクセスストーリーとして取り上げられてきました。
しかし、日本、韓国、香港では、国民の自己満足、政策の失敗、そして悪天候がウイルス感染の新たな急増に拍車をかけているため、政府は今週、規制を再稼働しています。
日本は、誘惑が記録的な新たな感染をもたらした第3波を助長していることが明らかになったため、国内観光と外食を奨励することを目的とした補助金プログラムを縮小しようとしています。
ソウルでは今週、バーやナイトクラブを閉鎖し、カフェやレストランでの食事サービスを制限するよう命じました。
これは、以前の規制緩和によりウイルスが急増したためです。
香港はまた、当局がシンガポールとの旅行バブルの促進を延期した数日後、バーやナイトクラブを閉鎖しました。
これは、アジアで検疫なしの旅行の再開を告げる待望の社会実験でした。
香港は復活の舞台を整えようとしています。
この地域での新たな感染の数は米国西部の数分の1であり、日本は最近1日2,000件以上、韓国は1日300件以上、香港は月曜日に73件の新規確認症例を記録しています。
それでも冬が近づき、ドアや窓が寒さを逃れるために閉まるにつれて、特に日本のように高齢者の割合が高い国では、感染率は依然として警鐘を鳴らすのに十分に高いままです。
専門家によると、パンデミック疲労は重要な要素です。
何ヶ月にもわたる制限の後、しばらくの間、感染は制御されているように見えますが、人々は規則に疲れ、家にいることに飽き、リスクに鈍感になっています。
先週の東京の路上では、みんなマスクをしていました。
しかし、バーやレストランは、マスクを脇に置いた人々でいっぱいです。
「我が国の管理措置は、自発的な行動に依存しています」と政府のコロナウイルス諮問チームのメンバーである東北大学大学院医学研究科の押谷仁教授は言いました。
「そして、行動を変えるよう人々を説得することはますます難しくなっています。 症例数は3月や4月よりもはるかに多いものの、人々は緊張を解いています」
火曜日、韓国のカン・ドテ副保健相は「トリプルバインド」と呼ばれるものについて警告しました。
それは「若者の間での感染・屋内活動の増加・寒い天候」のためにウイルスが繁殖しやすくなることについての警告です。
「第3波の予期せぬ発展は、厳しい冬を予感させます」とカン氏は会議で述べました。
日本政府は、記録的な低迷から経済を救うために、7月と10月にそれぞれGo to TravelとGo to Eatと名付けられた補助金プログラムを開始しました。
それは、国内旅行、宿泊、食事、その他の費用の最大半分を消費者に返済するという提案でした。
この援助プログラムは、パンデミックに悩まされている観光産業に歓迎すべき救済をもたらしましたが、ウイルスがこの国に新しく侵入するのにも役立ちました。
小池百合子東京都知事も火曜日に懸念を表明しました。
彼女は記者会見で「人々のこうした動きが、この感染の拡大に影響を与えていることは明白です」と述べています。
「そして私たちは、外食の際にウイルスが広がっていく状況を見ています。 その後、これは家庭に持ち帰られます」
「おそらく、家庭内には免疫力の低い高齢者がいるでしょう」
野党の政治家は政府の対応が遅すぎると言って非難しました。
ベテランのジャーナリストで東海大学メディア研究学科教授の末延吉正氏は、政府が「ブレーキのかけ方を考えずに」車を運転しているかのようだと語っています。
「アクセルとブレーキの両方が同等に機能しない限り、車はうまく運転できません」と彼はラジオ番組で語っています。
中国国外で最初の大流行を効果的に鎮圧したことで賞賛を勝ち取った韓国では、当局は小規模ではあるものの持続的なクラスターと戦い続けてきました。
政府は先月、第2の波が制御されていると信じて、社会的距離のルールを緩和しました。
しかし、過去2週間で、学校、軍事基地、教会など、全国で60を超える感染クラスターが発生しました。
ソウル国立大学医学部のキム・ユン教授は「第1波と第2波からの感染は、韓国社会全体に長引く感染リスクを残し、適切な準備なしに社会距離の拡大規則が解除されたために再び発火しました」と述べました。
「少数の大きなクラスターに起因していた以前の発生とは異なり、第3の波は、接触追跡が機能するのが難しい数十の小さなクラスターによって構成されています」と彼は付け加えました。
香港では、ダンスクラブに起因する一連の感染拡大が、1週間に及ぶこの地域での連続感染者ゼロの記録を打ち砕きました。
そのクラスターは、130以上の症例数で、香港が経験した中で最大の1つとして浮上しました。
香港当局は遅ればせながら、ウイルスの抜け穴を塞ごぐために動きました。
彼らは14日間の検疫を余儀なくされましたが、依然として感染者がいる可能性のある帰国住民のための緩いホテル検疫の取り決めが含まれたままです。
しかし、香港はまた、日本が経験したのと同様の倦怠感と自己満足とに戦っています。
香港のキャリー・ラム行政長官は火曜日に「感染源になっているダンスホール・クラスターの動画や写真を見ると、パンデミックの際に規制を完全に尊重していない人々がいることがわかります」と述べ、人々はマスクなしで緊密な接触活動をしていたと指摘しました。
「残念ながら、この新しい感染の波はかなり深刻になりそうです」
Coronavirus is roaring back in parts of Asia, capitalizing on pandemic fatigue
The Washington Post
今日の報道によれば、日本政府は大阪・札幌両市を目的地とするGo To トラベルキャンペーンの一時停止を決めたそうです。
政府はキャンペーンの取り扱いを各都道府県知事に委ねる方針のようですが、これは判断の誤りだと思います。
各県によって事情も違いますので知事の思惑もまちまちになり、国として統一された行動が取れなくなります。
観光業界の苦戦も十分理解できるものの、国が指導力を発揮するべき局面であろうと思います。
先の三連休は天候も良かったこともあって、観光地は賑わったそうですが、医療関係者は感染拡大を懸念して緊張しています。
管理者 黒岩留衣