米疾病対策センター(CDC)のロバート・レッドフィールド所長は16日、新型コロナウイルスワクチンが一般に接種可能となるのは来年の夏以降になるとの見通しを示しました。
レッドフィールド氏は上院歳出小委員会の公聴会にて、ワクチンが幅広く接種できるようになるのは、2021年4-6月期(第二四半期)の終わりか、あるいは7-9月期(第三四半期)の始め頃になるだろうと述べました。
また、仮に年末時点でのワクチン供給が可能になったとしても、その供給は非常に限定的なものになるだろうとし、コロナウイルスに罹患するリスクが最も高い人、あるいはファースト・リスポンダー(災害や事故の際に最初に対応する人々)への接種が優先されるだろうと述べました。
レッドフィールド氏はまた、自らマスクを手に持ち「マスクは確実に装着者に利益をもたらすでしょう」と述べ、引き続き人々にマスクを着用することを奨励しました。
彼は「ワクチンは接種した人々の70%程度しか効果を発揮しない可能性がありますが、マスクは確実に装着者に利益をもたらします」と述べ、依然としてフェイスマスクの着用が、コロナウイルス感染拡大防止策として、最も有効な手段の一つであることを訴えました。
一方、ドナルド・トランプ大統領は、ワクチンの一般向け接種が「すぐに可能になるだろう」と述べています。
トランプ大統領は記者団に対し、レッドフィールド氏に電話をかけて彼の発言の真意を問いただしたと述べた上で「彼は質問の趣旨を誤解していたのかもしれない」と述べました。
「あるいは、彼は頭が混乱していたのかも知れません」
トランプ氏は自ら任命したCDCの最高責任者に対し、侮辱とも受けとめられかねない発言を口にしました。
「(私の政権は)常に最高の仕事をしています。それは本当に素晴らしい仕事です」
「米国はすでに感染拡大のピークを過ぎており、ワクチンもすぐに提供できるでしょう」
トランプ氏はワクチン配布は非常に迅速に行われるであろうとの見通しを示し、こうした政権の計画をレッドフィールド氏が知らなかった可能性があると述べました。
レッドフィールド氏がマスクの有効性を改めて表明したことに関しては「マスクをつけたくない人々も多い」と述べ、引き続き国の高名な専門家や科学者らの懸命なアドバイスを軽視し続けていく意向を表明しました。
全米で15日に確認された新規感染者数は3万9617人であり、死者数は累計19万6000人に達しています。
The Wall Street Journal