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ホワイトハウスとCDCの対立が先鋭化、相互不信が高まる

by 黒岩留衣
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アメリカは経済活動の再開を目指して、着々とステップを踏んでいるかのように見えます。

ところが、アメリカで最も権威ある疾病管理予防センター(CDC)はアメリカの経済活動の再開の手順について、少なくともホワイトハウスよりは慎重で厳格な意見を持っているようです。

 

そして、アメリカにおけるコロナ対策の両輪とも言えるホワイトハウスとCDCとの間に、こうした意見の対立から深刻な相互不信が生まれているというレポートです。

 

ワシントンの上級行政官とアトランタの疾病管理予防センター(CDC)の幹部は、米国がどれだけ早く再開すべきか、そしてどのように再開すべきかについて、ホワイトハウスとCDCとの間で意見が対立し、相互に不信感が高まっているという。

トランプ大統領の貿易担当顧問であるピーター・ナバロがNBCのインタビューに応じて語った。

 

ナバロによれば、特に大統領のコロナウイルス対策本部のコーディネーターであるデボラ・バークス博士は、CDCに対してますます批判的になり、最近の会議で、彼女が当局に対し、単なる不満以上の悪感情を抱いているという。

具体的には、バークス博士は、CDCがコロナウイルスに関するデータ収集の方法は時代遅れであり、ウイルスの感染者数と死者数の両方の数が不正確であり、遅れていると考えている。

情報筋によると、バークス博士は最近の対策会議で彼女の興奮ぶりを表明しており、彼女とCDCのロバート・レッドフィールド所長との間の少なくとも1つの会話で「周囲が驚くほど」の白熱した言葉の応酬があったという。

 

バークス博士とレッドフィールド所長は、HIV研究の共同作業により、数十年に渡ってお互いを良く知る仲である。

複数の当局者とタスクフォースに近い情報筋によると、バークス博士は、今年の初めにCDCのテストキットに欠陥が見つかり、数週間の初期対応の遅れをきたした時も、レッドフィールド所長と仲間たちを擁護したが、彼への彼女の口調はここ数週間で劇的に変化したそうである。

 

対立のきっかけとなったのは、CDCが「膨大な時間を費やして」完成させた内部文章が、一部のメディアに漏洩した事件に端を発する。
そこにはアメリカを再開させるにあたって、ホワイトハウスが模索していたガイドラインよりも、ずっと慎重で厳格なロードマップが記されていた。

この出来事を受けてホワイトハウスは、CDCが纏めた全68ページにも及ぶ文章をわずか6ページに短縮して発表し、しかも「十分に尊重し、参考にする」が「そのまま鵜呑みにするつもりはない」とまで付け加えた。

これにはCDCの幹部たちの間で一斉に不満の声が上がったという。

 

そもそもCDCはバークス博士に対して、CDCとホワイトハウス、殊にトランプ大統領との円滑な橋渡しを期待していた節がある。
だが、CDCの幹部らには「バークス博士はトランプ大統領の間違った認識を正すことはするが、それ以上の積極的なアドバイスはしていない」という不満が積み上がっていたようである。

 

一方で、CDCのデータ収集システムに対するバークス博士の指摘も決して的外れでは無い。
CDCは情報収集システムにおいて、依然としてファックスのような旧式の通信機器に頼っており、コロナウイルスと戦う最前線の医師達と一週間以上も意思の疎通が出来ないこともままあると言う。

これでは情報そのものが劣化して、リアルタイムから遅れてしまう懸念がある。

 

現にジョンズホプキンス大学のデータに基づけば、5月15日現在で、全米で87,000人以上の死者数が報告されているが、同日のCDCのデータでは60,000人あまりの死者数しか報告されていない。

CDCは今後、予算を投じて情報収集システムの近代化をはかると発表しているが、少なくとも今年の後半までは実現しそうに無いという。

https://edition.cnn.com/2020/05/16/politics/white-house-cdc-tension-birx-coronavirus-tracking/index.html

 

 

先週、ホワイトハウスのスタッフの間で数人の感染者を出してしまったことは、トランプ大統領にとって不幸なことだったようです。

トランプ政権が苦労して積み上げてきた、経済活動再開に向けた一連の努力に冷水を浴びせられ、台無しにされてしまうかもしれないという落胆があったようです。

そうしたタイミングでCDCがより慎重なロードマップを提示してきたことは、トランプ政権にとって不愉快な出来事だったのかもしれません。

 

日本でもそうですが、学者は石橋を叩いて渡らない、どんなに頑丈な橋だろうが重箱の隅をつついてでも慎重な(あるいは悲観的な)見通しを示す傾向があります。

失敗したときの責任を取りたくないから当然といえば当然の行為ですね。

 

対する政治家側は失業保険や休業補償を払いたくないので一刻も早く経済活動を再開したい。

これもまぁ倫理上は置いといてそう考えるのは自然なことでしょう。

 

結局のところ、経済活動再開の要求と公衆衛生上の懸念とはどこまでも相反するものなのでしょう。

議論が白熱するのは仕方のないことなのかもしれません。

ですが、このタイミングで両者の間の意見の対立がこじれ結果として政策が迷走することは、トランプ政権だけでなく国民にとっても不幸な事だと言わざるを得ません。

 

 

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