6月1日(日本時間2日朝)、ホワイトハウスのローズガーデンで行われた記者会見でトランプ大統領は、市長や知事は「暴力が鎮圧されるまで、法執行機関の圧倒的な存在感」を確立する必要があると述べました。
市または州が行動を取ることを拒否した場合、トランプ大統領は彼自身が「米軍を配備する」とも述べました。
この声明は全米で大きな反響を呼び、トランプ大統領は思わぬ非難を受けることになります。
犬猿の仲として知られるニューヨーク州知事アンドリュー・クオモは「ありがとう大統領、だが余計なお世話だ」と述べ、大統領の「強い要請」を拒否する姿勢を鮮明にしています。
ニューヨーク州知事と同じく民主党所属のイリノイ州知事J. B.プリツカーも「連邦政府が軍をイリノイ州に派遣することを拒否する」と明言しました。
アメリカの主なメディアも、米軍(連邦軍)が国民と対峙し、国民に銃口を向けるかもしれないような発言を「とんでもないこと」と強く非難しています。
– では、トランプ大統領は本当に米軍を動かす決定をするでしょうか? –
私はしないと思います。
出来るはずがありません。
彼は焦っていると言えます。
大統領は一刻も早くこの暴動を鎮圧し、経済復興に向かわなければ秋の大統領選挙に悪影響が出ると信じているようです。
さりとて、連邦軍を動員して自国民に対峙させたという「歴史的な不名誉」を甘受する気もないようで、各州知事が「自主的に」州兵を動員して鎮圧してくれるのをイライラしながら待っているという状況です。
民主党所属のオレゴン州知事ケイト・ブラウンもまた、トランプ大統領の州兵の出動要請を拒んだ州知事の一人です。
ここまでで、少なくとも全米の20の州が、トランプ大統領の要請に応じて州兵を出動させていますが、これに反対を表明しているのは殆どが民主党所属の州知事たちであることは偶然ではないと思います。
それにしても、ウイルスの感染拡大が懸念されている時期でもあるので、タイミング的には最悪ですね。