日本の戦闘機パイロットである城田中道2等空佐(英文を直訳すると『中佐』となりますが、本文では自衛隊に対する配慮により、以下『二佐』と称します:翻訳者注)は、日本は上空からの圧力が年々高まっていると言います。
日本の戦闘機パイロットは平均して1日に2回以上、サイレンがけたたましく鳴り響く時、準備室の座席から立ち上がり、ジェット機に向かって疾走し、空中で叫び、日本空域へのアンノウンの侵入を阻止しなければなりません。
繰り返すようですが、1日に平均2回以上です。
3月までの昨年度、航空自衛隊では947回ものスクランブルが発生しました。
それらのほとんどの場合の犯人は、中国人民解放軍に所属する中国空軍の戦闘機です。
そして、城田二佐は潜在的な侵入の数が増えていると言います。
城田二佐は「空域違反に対するスクランブルの数は過去10年間で急速に増加しています。特に南西の空域で顕著です」と述べた。
「日本の自衛隊が毎年行うスクランブルの約70%はこの地域で発生しています」
その南西部地域には、中国では『釣魚島』として知られる尖閣諸島が含まれます。
日本統治下の岩の多い無人島群ですが、中国は自国の領土だと主張しています。
日本の防衛省は3月に日本の戦闘機パイロットが迎撃するために緊急発進した中国とロシアの航空機の飛行ルートを示す地図を発表しました。
中国の飛行ルートは赤で示されています。
その密度は、東シナ海を『赤い海』のように見せています。
中国は尖閣諸島(中国では釣魚群島)内でのその力の誇示は当然の主権の範囲内であると言います。
それでも、日本は中国の飛行機が防空識別ゾーン(ADIZ)に侵入することが多いと言います。
米国連邦航空局は、ADIZを「国または国の国家安全保障のために航空機の即時かつ確実な識別、位置、および航空管制を必要とする陸または水上の空域の指定領域」と定義しています。
沖縄県の那覇基地にある航空自衛隊第204戦術飛行隊の40歳の若きコマンダーである城田二佐は、パイロットたちが24時間365日警戒を怠らないのは、まさにそのためだと言います。
「航空自衛隊は日本の領土と空域を守ることができる唯一の存在です」と彼は言いました。
そして、これまで中国の飛行機とのドッグファイト事件はありませんでしたが、それは常に緊迫した仕事の連続だったと城田は言います。
「空に上ったらどうなるかわかりません。彼ら(中国の航空機)が立ち去るのを見送るだけかもしれないし、あるいは向かい合ったりするかもしれません」と彼は言いました。
日本のパイロットの準備状況は、彼らの負担を考えると驚くべきものです。
彼らの戦闘機が潜在的に敵対する航空機に対してスクランブルする回数の多さは、他の西側諸国の空軍が近づくことさえできない程です。
北大西洋条約機構(NATO)に加盟するヨーロッパ27カ国の空軍の昨年のスクランブルの回数は、日本の半分以下しかありませんでした。
北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)のスクランブルの回数に至っては年平均でわずか7回です。
対して日本のパイロット達は休息のためにお茶を楽しむ余裕すらありません。
最も少なかった2009年でさえ、日本の戦闘機は200回以上スクランブル発進しました。
元オーストラリア空軍のパイロットで、現在グリフィス・アジア研究所に所属しているアナリストのピーター・レイトン氏は、中国が空で日本にかける圧力は、より大きな計画の一部であると考えています。
「中国は、日本の航空自衛隊の航空機と航空乗務員を疲労させ、紛争のある島の所有者に日々圧力をかけ続けたいと考えている」とレイトン氏は語りました。
「最も懸念すべきことは中国が航空自衛隊の約6倍の戦闘機を持っていることです。そしてそれが必要であると思われるときは、いつでも侵入がさらに増えるかもしれないということです」
「日本のF-15Jの現役航空艦隊は、今やほとんど中国のためにあると言っても過言ではない状況です」とレイトン氏は言いました。
同氏はまた「私は、日本は毎回毎回対応する必要があると信じています。そうしなければ、自国の領土の所有権への関与度が低いとの間違ったメッセージを送ることになってしまうからです」と語った。
「日本は海に囲まれています。したがって、侵略者は海または空のいずれかから来ます。侵略者が空から来た場合、それはすべて非常に速く起こります」と彼は付け加えた。
「防空の確保は、日本国民の生命、財産を守ることに直結します」と城田二佐は言います。
「私は、日本を守るという強い意志を持って、航空自衛隊の将校としての義務を全力で果たしています」
(参照:CNN)