火曜日、インドと米国は「地理空間協力のための基礎的な交換・協力協定(BECA)」に調印し、中国と対峙する両国間のより深い軍事協力への道を開きました。
この協定によりインド軍は、米軍の衛星からの豊富な軍事情報にアクセスすることが可能になり、目標補足とナビゲーションに関する米国の支援を受けられるようになります。
両国は、米国大統領選挙の1週間前に、マイク・ポンペイオ国務長官とマーク・エスパー国防長官がインドを訪問し、ニューデリーで合意文書に署名しました。
エスパー氏は、当局者全員がマスクを着用して臨んだ屋外記者会見で「中国による脅威の高まりと、そうした活動による地域の不安定化を考慮した時」両国間のパートナーシップは「特に重要である」と語りました。
エスパー氏は、情報共有協定の署名を「極めて重要なマイルストーン」と呼び、米国とインドの協力関係は「力強く、回復力があり、成長している」と述べました。
このたびの合意は、世界の2大民主主義大国であるインドと米国が、中国の台頭という共通の課題に対処するために、如何に緊密に接近しているかを示す最新の例であると言えます。
インドと中国の間では緊張が高まっています。
6月、インドと中国は両国の非公式な国境線近くの山岳地帯で、過去50年以上にわたって最悪の武力衝突に巻き込まれました。
20人のインド軍兵士が死亡しましたが、中国軍側の死傷者の数は不明のままです。
インドと中国は依然として危険な睨み合いを続けており、何万人もの軍隊が厳しいヒマラヤの冬を待つ覚悟を決めています。
ポンペイオ氏は記者団に対し、インドと中国との軍事衝突について語り、米国は「自由と主権を脅かす脅威に立ち向かうために、インドの人々と共に立つだろう」と語りました。
ポンペイオとエスパーのインド側のカウンターパートは、もう少し慎重でした。
どちらも名前をあげて中国を刺激することは避けましたが、依然としてこの国が緊張状態にあることをほのめかしました。
「領土保全とすべての州の主権を維持することは不可欠です」とインドの国防相ラージナート・シンは述べています。
米国はインドを、日本やオーストラリアなどの地域の伝統的な米国の同盟国と同様に、アジアにおける中国の高まる野心に対抗する重要なカウンターウェイトと見なしています。
今のところ、インドが米国の正式な同盟国になる可能性は低いと見做されていますが、2つの民主主義国間の安全保障協力体制が強化されていることは間違いありません。
インドの元国家安全保障顧問であるアルビンド・グプタ氏は、何年にもわたって交渉されてきた協定の調印完了により、両国間における軍事機密情報の共有が可能になり、2つの国の軍隊が、より緊密に協力しあう能力が高まるだろうと述べました。
過去には、一部のインドの政策立案者は、米国とのそのような協定を締結することついて不安を抱いていましたが、今ではそのような批判はほとんどなくなったと彼は述べました。
「私たちは双方の不確実性の壁を乗り越えました」とグプタ氏は述べています。
The Washington Post