今週、ヨーロッパ全土で時計が1時間戻され、長い夜が少しだけ早く訪れます。
カフェは閉鎖されており、病院は満員になっています。
政府はクリスマスの集まりをキャンセルせよと脅迫しています。
ヨーロッパで新たなコロナウイルス感染が再び急増し、日々の記録を更新するにつれ、大陸の人々は気分が暗くなっていきます。
夏の盛況は遠い昔のように感じられ、ヨーロッパ大陸は深刻な暗鬱に突入しています。
ドイツとフランスは水曜日に、ウイルスを制御するために新しい制約を発表した国々の列に加わりました。
新しい措置は春よりは制限が少なくなっていますが、それでも彼らはより多くの反発に直面しています。
人々はもはや、勇気ある看護師を称賛するために外出を自制し、小さなアパートに身を寄せる気力がありません。
もう誰も彼らのためにバルコニーからアリアを歌っていません。
ヨーロッパ人はcovid-19を恐れていますが、仕事を失うことについても同じように恐れています。
そして怒りと好戦性も高まっています。
ローマの演劇女優、カテリーナ・グラマグリアさんは、春に比べて、より落ち着きがなく、何をすべきか確信が持てないと語りました。
イタリアで初めて劇場が閉鎖されたとき、それは彼女にとって自己反省の機会でした。
劇場が再び閉鎖された今、彼女は「大きな恐怖の時だ」と語っています。
「一言でそれを表現するなら、ある種の絶望感です」
イタリアの警察は今週、トリノとミラノで暴動を起こしている群衆を解散させるために催涙ガスを発射しました。
これは、最新のコロナウイルス制限措置に対する抗議が暴力に燃え上がった後の出来事です。
ドイツでは、エンターテインメント業界からの抗議者で通りが埋め尽くされました。
地域的な制限に対処しているイギリスのリバプールでは、ジムの所有者は警察の閉鎖命令に反対し、施設はお金のためだけでなく人々の精神的健康のためにも開いたままにする必要があると述べました。
ロンドンでは、日没は午後4時40分です。
あまりにも長い夜がやってきます。
世界保健機関の長であるテドロス・アダノム・ゲブレイエスは「人々が感じているパンデミックの倦怠感」を認識しましたが「あきらめてはいけません」と励ましました。
「私たちはこの第2の波があると予測していましたが、過去10日間に起こったことの残忍さに私たち自身が驚いています」と免疫学者でありフランス政府のコロナウイルスに関する科学諮問委員会の議長であるジャン・フランソワーズ・デルフライシー博士は述べています。
パリでは、金曜日から始まる2回目の全国的な閉鎖の発表に先立って、水曜日の気分はほとんど葬式でした。
首都から出る車の列で交通が渋滞し、パリジャンはこぞってパリから逃げ出したように見えました。
公衆衛生当局が人口の1%がcovid-19に感染する可能性があると予測したため、薄汚い灰色の雲がベルギーの空を覆い尽くしました。
この時期の多くのベルギー人は通常、月曜日から始まる学校の休暇にあわせて旅行用カバンを梱包しています。
彼らは、トルコ、南フランス、アゾレス諸島などへの格安航空会社のフライトに乗り込みます。
彼らは霧雨の冬が訪れる前に、外国の日光の最後の線量を浴びに出かけるのが恒例です。
しかし今年、ベルギーの指導者たちは、秋の休憩は家の中に籠もってウイルスを広めないようにして欲しいと市民に訴えています。
ある著名な医師は今週、クリスマスのお祝いを来年の夏まで延期することさえ提唱しました。
ブリュッセルのエラスム病院の感染症部門の責任者であるフレデリック・ジェイコブス氏は、月曜日にベルギーの放送局RTBFに対して「感染のカーブを抑え込むためには、さまざまなパターンの休日を想像してみる必要があります」と語りました。
「あるいは年末のクリスマスパーティーを、晴れやかな7月や8月に延期することも良いと思います」と彼は言いました。
おそらく彼は本気だったと思います。
ソーシャルメディアはうめき声で応えました。
スペインでは、政府が今週、新しい非常事態宣言を発表しました。
これにより、午後11時の門限を含め、全国的にさまざまな制限を設けることができました
「これが今後数か月も続くのかと考えたときの正直な気持ちは『孤独』だと思います」とマドリッドにあるユナイテッドウェイのスペイン通信局で働く24歳のイザベラ・ダンブロージオは言いました。
「友達とできることが少なければ少ないほど、家にいる時間が長くなります」と彼女は言いました。
「冬はなぜかもの哀しくて人恋しい季節です」
イタリアでは、ウイルスの大規模な最初の波が、イタリア人ですら驚いた一体感を引き起こしました。
彼らは封鎖中にアパートのバルコニーからアリアを歌いました。
イタリア人は、イタリア人であるにもかかわらず厳格な規則を順守しました。
「 andrà tutto bene」(きっと上手くいきます)という看板が全国に広がり、その結果として感染率が急落し、イタリア人が自分たちは最善を尽くせたのだと誇りを持っていられたのは夏まででした。
しかし、その感情は不満に置き換わり、イタリア人に緊急事態に陥らないことを保証した政治指導者に対する怒りに取って代わられました。
ジュゼッペ・コンテ首相は8月、イタリア人は「経済活動を制限することなく」秋を迎えることが出来るだろうと約束しましたが、その約束は崩れました。
カンパニア州知事が先週閉鎖を提案したとき、ブローバックと激しい街頭抗議が彼に立ち去るよう要求しました。
イタリア中のバーやレストランが午後6時に閉店するように命じられたため、主要都市の広場は、自家製の爆発物を投げたり、ゴミ箱に火をつけたり、一方では警察の放水砲で撃退されたりした極右グループや扇動者のための夜間劇場になりました。
「自由!自由!自由!」抗議者たちは火曜日の夜にローマで呪文を詠唱しました。
コロナウイルスの制限により、活気に満ちたアートシーンで知られるベルリンも一変しました。
政府は学校を開いたままにしたいと願っているので、代償として若者たちにパーティーをやめるように促しました。
「ここの多くの人々は、精神的にも経済的にもナイトライフに依存しています」と、27歳のアグニェシュカ・クルジザンスカは言いました
クルジザンスカ氏は「制限が多すぎる」と不平を述べています。
しかし、オーナーのアラン・バーボン氏(46歳)は迷っています。
バーボン氏は、ドイツの新しい閉鎖期間中は完全に閉鎖する必要があると考えています。
その代わり、彼は閉鎖措置がクリスマスの前までに再び解除されることを望んでいます。
ベルファストでは、フードバンクマネージャーのシネイド・マッキンリーと彼女の仲間たちが、市内で最も恵まれない何百もの家族が温かい食事にアクセスできるように支援しています。
「人々はとても疲れています」と彼女は言いました。
「最初の封鎖の時とは異なった感じです」とマッキンリー氏は述べました。
「今回は本当に絶望です」
Gloom settles over Europe as days darken and coronavirus surges
The Washington Post
ここ10日ほどで欧州から発信されるコロナウイルスに関する情報が急増しているのは事実です。
こうした事態を受けて株式市場も下落を続けています。
新しい経済規制は今後数ヶ月間続くという見方もあり、観光業会や飲食業界からは「もはや限界だ」という嘆きの声が聞こえています。
彼らに耐えてくれというには、あまりにも痛々しい状況が広がっています。
逆にどうして日本は比較的うまくいっているのだろう?と疑問に思ったりもします。
同じコロナウイルスの影響とは思えません。
管理者 黒岩留衣