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大統領選後に予想される懸念

by 黒岩留衣
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トランプ大統領は、大統領選挙の後に一連の不確実性と混乱が続く可能性があることを示唆しています。

これらはどちらが勝利したとしても、秩序ある選挙後の見通しを曇らせる可能性があります。

 

考えられるシナリオの中には、米国の感染症の権威であるアンソニー・S・ファウチ博士を解雇または傍流に追いやるための迅速な取り組みが挙げられます。

「パンデミックへのアプローチが大統領を苛立たせた他の連邦保健当局者もまた標的にされるかもしれません」と議論に精通している当局者は述べています。

つまり、選挙後にトランプやジョー・バイデンが新たなリーダーシップを発揮し、過去百年で最大の公衆衛生上の危機との戦いを主導していたチームが再編成される可能性があるということです。

 

トランプ氏は最近オハイオ州での集会で発言し、バイデンが勝った場合は移行プロセスを妨害する(原文はレンチを投げる:注1)かもしれないと公然と提案し、彼自身が大統領に就任した当時も、同様に妨害されたと根拠なく主張をしました。

トランプ氏は、記者たちは私に「あなたが負けたら、友好的な権力の移行がありますか?と尋ねます」と述べ、続けて「2016年に私が大統領選に勝ったとき、彼ら(オバマ政権)は私に友好的な移行を与えましたか?」と逆に問いかけました。

「彼らは私の選挙活動をスパイしました。彼らはありとあらゆる妨害行為をしました。それは友好的な移行ではありませんでした」

 

トランプ氏はまた、郵送による投票についても不満を述べ、その多くは不正であると断じ、選挙日以降も投票を数え続けることは異常または危険であると主張しました。

当然ながらそれは、バイデンからの欲求不満の反応を促しました。

「いったい我々はどの国にいるのでしょう?」彼はトランプが平和的な移行にコミットすることを断ったときにそう言いました。

「またしても彼は非常に不合理なことを言っています。もはや言葉もありません」

 

バイデンのチームは、トランプが負けた場合、彼によって何百人ものバイデン側の職員がホワイトハウスのリソースへアクセスする事を阻止される可能性に備えています。

バイデンの移行メンバーは、バイデンが選挙に勝った場合『アメリカの歴史上で最も不安定な権力移転』の可能性に対処するために、行政処置や法的処置を含めたあらゆる対処法を検討しています。

コロナウイルスによって分裂した選挙の間、感染者は急増し、国民感情は真っ二つに引き裂かれ、生々しい傷跡からは今も出血が止まず、人々の感情は何が起こっても不思議ではないほどに荒廃し緊張しています。

 

複数の当局者によると、ホワイトハウスは、政権の引継ぎを担当する副首席補佐官のクリス・リッデルを配置しました。

トランプ氏は、政権の正式な移行文書に署名することを躊躇し、政権の平和的移行に参加するという考えを好んでいなかったと彼は述べています。

「大統領、それは法的に義務付けられています」と指摘された後、トランプは渋々同意したものの「その努力についての宣伝は望まない」と彼は述べたと伝えられています。

 

「リッデルは賢くて有能な人のようだ」と最近ホワイトハウスの関係者と会った脚本家であり作家のクリス・ウィップルは言いました。

「しかし、彼は権力の移行について真剣ではない『誰かさん』のために働いています」

不測の事態に備え、準備を進めるフィラデルフィアの州兵

 

「トランプは不安定で予測不可能な人物です。彼は(良い意味でも悪い意味でも)何でもできる」

権力移行プロセスに近いある人物は、この取材でインタビューした他の人と同様に、匿名の条件で話しました。

ホワイトハウスのスポークスマン、ジャッド・ディアー氏は、権力移行についてコメントを求められ、次のように述べています。

「大統領は自由で公正な選挙の結果を受け入れるだろう。トランプ政権はすべての法定要件に従っています」

 

トランプ氏は、たとえ勝利したとしても、ホワイトハウスの上級幹部を一掃することを計画していると当局者は語りました。

彼はFBIのクリストファー・A・レイ長官と国防長官のマーク・T・エスパーを、多くの公衆衛生機関の職員とともに交代させることを検討していると彼らは付け加えました。

何人かの当局者は、トランプが勝った場合、彼は彼の内閣の大部分を置き換える可能性があり、あるいは他の当局者は自らホワイトハウスを去る可能性が高いと述べました。

 

世論調査は、トランプの『covid-19の危機管理』に対する評価の低さが、彼に多大な政治的損害を与えたことを示唆しています。

トランプ氏は集会の最中に、彼が「チャイナウイルス」と呼んでいるものさえなければ、再選への平坦な道があっただろうと不満を述べ、民主党系の知事、議会、民主党員、そして時には彼自身の側近まで強く非難しました。

 

大統領は日曜日の夜、フロリダで行われた集会で、選挙後の人身一新の潜在的な可能性を示唆しました。

オパロッカ(フロリダ州マイアミデイド郡にある都市)の群衆が「ファウチを解雇せよ!」と唱え始めたとき、トランプは満足げに両手を挙げました。

「誰にも言わないでください。そして選挙の後まで待ってください」

「皆さんのアドバイスに感謝します」

 

トランプ氏は「ファウチ氏は良い人だ」と述べたうえで「このベテランの感染症専門家は、パンデミックに対する米国の対応のさまざまな側面において、何度も間違を犯し、何度も失敗した」と主張したことがあります。

 

バイデンは月曜日の朝のツイートで「ファウチ博士のような専門家の話を真剣に聞く大統領が必要だ」と書き込みました。

彼はファウチ氏の雇用を守る反面、トランプを解雇することを提案しました。

 

The Washington Post


注1)原文は「throw a wrench in」:妨害する、滅茶苦茶にする、混乱させるの意。日本語の「匙を投げる」という言葉に音は似ていますが、より積極的で害意を含めた表現です。

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