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中国、遂にバイデン氏に祝辞を送る

by 黒岩留衣
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金曜日、中国はついに次期大統領ジョー・バイデンと同副大統領カマラ・D・ハリスが米国の選挙で勝利したことを祝福し、北京の慎重姿勢に対する懸念を終了させました。

北京からの祝辞は、バイデンのチームがオーストラリア、日本、韓国と電話会談を行ってからおよそ24時間後の出来事でした。

米国の同盟国は、北京が地域の影響力を拡大するにつれて、さまざまな懸念を持って注視してきました。

 

中国の隣国への彼の最初のアプローチは、中国に対し厳しい姿勢を維持するというバイデンの選挙キャンペーン中の約束を反映していましたが、トランプ政権の一方的なアプローチの代わりに共同統一戦線の構築を求めました。

中国政府は、バイデン政権下でのワシントンとのより穏やかな関係について慎重かつ楽観的ですが、当局は大規模な雪解けの幻想までは持ってはいないようです。

 

中国外務省のスポークスマン汪文斌(Wang Wenbin)氏は定例記者会見で「我々はアメリカ国民の選択を尊重している」と述べ「バイデン氏とハリス氏に対し、祝意を申し上げます」と付け加えました。

同時に、汪氏は「米国の選挙結果は、米国の法律と手続きに基づいて確認されることを理解している」とも述べています。

 

中国の外務省はこれまで、バイデンの勝利の主張について「承知している」とだけ述べて、祝辞の発表を延期していました。

中国の外交政策アナリストは、トランプ大統領が選挙の正当性を認めていないので、予防的スタンスとしての慎重姿勢だったと説明しました。

 

米国の木曜日に、エジソンリサーチは、バイデンがアリゾナ州で勝利したと発表し、彼の予想される勝利の大きさをより確実にしました。

シノシズムドットコムのニュースレターの発行者であるビル・ビショップは、トランプが敗北を認める前の不安定な瞬間にコメントを発表することにより、米中関係をいたずらに混乱させることを避けるため、北京はバイデンに対する祝辞の発表に慎重だったようだと述べています。

「おそらく彼らは、これ以上時間をかけることはバイデンに対する敵意とも受け止められかねないと考え、彼らは曖昧な態度をやめるべきだと考えたのでしょう」とビショップは述べています。

そして彼らは、出来るだけ速やかにバイデンとの関わりを始めたいと思っているようです。

 

北京の方針の変更は、アジア太平洋地域における米国の伝統的同盟国に対するバイデンの支援の公約を受けて行われました。

これは、中国が次期大統領とのコミュニケーションのラインを開く緊急性を高めたであろう出来事でした。

 

特に、中国が主張する領土についてのバイデンと日本との話し合いは、北京を不快にさせたことでしょう。

菅義偉首相は木曜日、バイデン首相が電話で「日本を守るための米国の公約には尖閣諸島を含むことを約束」したと述べました。

中国はその無人の群島を釣魚島と呼び、自国の領土であると主張しています。

 

中央管理された官僚機構により、北京は一般に公の発言において保守的であり、特に不確実な状況下では数日遅れて声明を発表することも珍しいことではありません。

2016年、中国外務省は、ヒラリー・クリントンが選挙の敗北を認めた翌日の11月10日にトランプを祝福しました。

 

米中関係は今週も緊張が続いています。

ホワイトハウスは木曜日に、中国の軍隊と関係があると考えられている数十の中国企業への米国の投資を禁止する大統領命令を出しました。

 

一方、北京は今週「愛国心の欠落」を理由に香港の議員に失格を命じました。

この動きは、西側の当局者からの怒りに見舞われました。

 

英国のドミニク・ラーブ外相は、これを「法的拘束力のある英中共同声明の明らかな違反」と呼びました。

これは、英国が香港を中国に返還する前の1984年に署名された条約です。

 

The Washington Post

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