中国国営、新華社通信によりますと、全国人民代表大会(全人代)常務委員会は、香港の選挙制度改革案を全会一致で可決しました。
それは香港立法会(議会に相当)などから民主派を事実上排除する仕組みになると見做されています。
火曜日に発表された選挙制度改革によれば、香港の議会で直接選出される議席の数を、現在の35議席から20議席に削減する一方、立法会の定数を現行の70議席から90議席に増やす方針です。
新しい委員会は公職の候補者を事前に精査し、彼らが中国への忠誠を誓う愛国者であることを確認します。
これにより香港で唯一、完全に民主的な組織である地区評議会のメンバーは、香港の最高執行責任者を選出する委員会から除外されることになります。
中国の安全保障法は、香港返還から23年経過した今、香港に悪寒をもたらしています。
これは、一連の大規模な民主化反対運動の後、香港に対する支配を強化するという中国中央政府による最新の動きであると言えます。
今年初め、数十人の香港の活動家が国家安全保障法に基づいて逮捕され、香港市民の悲願ともいうべき民主化運動を本質的に無力化しました。
香港の立法府による選挙制度の見直しは、国民によって直接選出された議席を少数に抑えることで、中国中央政府による管理を一層容易にすることを意味します。
香港のキャリー・ラム最高行政長官は火曜日、香港はこの改正を「揺るぎなく」支持すると発表しました。
ラム氏は、2014年以降の民主化運動に言及し、政府は「立法の抜け穴」によって可能になった過去数年間の「混乱」に正しく対処し、立法評議会の秩序を回復しなければならない必要があると述べました。
火曜日、こうした一連の動きは、西側の政治家から鋭い批判を集めました。
英国議会の議員であるレイラ・モラン氏は、選挙制度の変更は、1984年に署名された中英共同宣言に基づく中国の国際公約に対する「明らかな違反」であると批判しました。
「政府は確固たる行動で対応しなければならない」と彼女はツイッターの投稿で英国政府について述べています。
「非難の言葉は、香港の民主主義を守ために、何の役割も果たさないでしょう」
公職候補者の新しい審査手順には、香港警察の国家安全保障部門による初期スクリーニング、および身元調査が含まれます。
ラム氏は、審査委員会は民主化を支持する候補者を、これらの公職に立候補することから追い出すことを目的とはしていないとコメントしました。
「彼らが『愛国者』であることが証明され、且つ、不誠実であったり、外国軍と共謀したりしない限り、そして彼らが香港市民に奉仕したいと願う限り、彼らは依然として政治活動をすることができるでしょう」と彼女は述べています。
香港特別行政区立法評議会の梁君彦総裁は火曜日、選挙は12月まで延期されると発表しました。
こうした一連の動きは、中国のマスメディアによって称賛されました。
地元の放送局であるCGTNは火曜日に、法改正は「香港で切望されていた安定」を提供し、将来の暴力的な抗議を防ぐだろうとコメントしています。
かつての英国の植民地であった香港は1997年に中国に返還され、中国政府はこの都市の生活様式を50年間変更しないことを約束しました。
これは、香港が中国本土よりもはるかに大きな民主主義と言論の自由を享受したことを意味しました。
しかし、習近平国家主席の下で、中国中央政府は、香港の情勢に対する統制を大幅に強化しました。
昨年の香港国家安全保障法の成立により、香港は中国本土と同様に抑圧的な言論制限を受けるようになりました。
1月、国家安全保障法に基づいて数十人の活動家が逮捕され「破壊を企てた罪」によって起訴されました。
その多くは、7月の予備選挙の候補者であるか、または予備選挙促進の支持者であり、事実上、次の立法選挙に出馬する民主派候補者をターゲットにするように設計されたものでした。
火曜日には香港議会の見直しが予想されており、3月中旬に中国全人代によって承認された香港基本法の法改正が行われる見通しとなっています。
北京からエヴァ・ドゥがレポートしました。
The Washington Post:2021年3月29日
原題:China cuts number of elected legislators in Hong Kong, delays election
引用:https://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/china-hongkong-election-legislature/2021/03/30/bb1f405c-912d-11eb-aadc-af78701a30ca_story.html