中国が国産コロナウイルス予防ワクチンの信頼性向上を目指す中、開発中の国有メーカーが正式な治験以外の場でもワクチンの投与を拡大させていることがわかりました。
それらは主に海外に留学する学生が対象です。
2種類のコロナワクチンを開発しているシノファーム傘下の中国生物技術(CNBG)はウェブサイトを通じて、海外に留学する学生に無料でワクチンを提供すると発表しています。
今回についても、緊急使用許可(EUA)を活用し、治験以外の場で、更に数十万人に実験中のワクチンを投与する予定です。
同社会長は8月、国営テレビに対して、ワクチンの安全性は『完全に担保されている』と語っています。
中国は早ければ来月にも、一般国民にワクチンの配布を開始する方向で準備を進めています。
一方で、欧米諸国の専門家や製薬会社の多くは、まだ効果や安全性が完全に証明されていないワクチン候補を一般国民に配布すれば、健康被害が生じる恐れがあると警告しています。
留学する学生向けの無料ワクチン配布を発表したシノファームのサイトでは、12日時点で、これまで48万1613人がワクチンの投与を受け、さらに9万3653人の応募があったと説明しています。
シノファームのサイトにおける申請プロセスを確認する限り、ワクチンがまだ治験を完了していないことは申請者に通知されていません。
The Wall Street Journal