Home 時事ニュース 米国株式市場、一転して続落。FRB議長の経済慎重論を材料視。

米国株式市場、一転して続落。FRB議長の経済慎重論を材料視。

by 黒岩留衣
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木曜日、投資家たちが米国経済の再開中に新型コロナウイルス感染症の増加に着目したため、米国株式市場は開幕から下落しました。


アメリカ連邦準備制度理事会は、水曜日の金融政策の更新で、今後数年間超低金利を維持するよう努めると約束しました。

これは株式にとってプラスになるはずです。

 

しかし、同時にパウエル議長は、今後予想されるパンデミックの第二波について質問され、慎重な姿勢に終始したことが、今後の経済の展望の不確実性を喚起したようです。

木曜日の株式市場がどのように開かれたかを以下に示します。


ダウは3.4%下落しました。
S&P 500は2.7%低下しました。
ナスダックは2.2%の下落となりました。

 

FRB パウエル議長

パウエル議長は10日の会見で、第2波の可能性について問われ「いつ経済を再開するかの決定は州・地方・連邦レベルの政治家に委ねられており、われわれとして特別に追加すべきことはない」と慎重な回答にとどめた。

実際に多くの州は、保健当局者の警告には従わずに経済活動の再開を開始。

一方、ロイターの集計によると、国内の新規感染者数は5週連続で減少した後、再び小幅に増加している。

 

アジアや欧州の諸国は、新規感染者が安定的に大幅減少するのを待って経済再開を決めたが、米国の多くの州知事は経済成長よりも公衆衛生上の危機への対応を優先できる期間は限られていると繰り返し強調してきた。

FRBは国内のこのような動きをある程度、経済見通しに織り込んだようだ。

 

パウエル氏は、5月の雇用統計で非農業部門雇用者数が予想外に前月比250万人増となったことは、労働市場が底を打った可能性を示していると分析。

「全米でのソーシャルディスタンシング(社会的距離)制限の緩和で人々の移動が増え、多くの企業がそれぞれ程度は違うが業務を再開している」と表明。

同時に将来についての不確実性はなお高いとした。

 

10日に公表されたFRBの経済見通しは、景気回復は今年下半期に始まり、今後数年間続くと予測した。

今後の課題として浮上したのは、再就職先を容易に見つけられない人々への支援だ。

一方、新型コロナ感染の第2波で大きな経済的ショックがもたらされる可能性について、パウエル氏は、全米の封鎖よりむしろ、感染者の急増が局部的に起こり、回復で出遅れている観光や外食、娯楽といった業界への人々の信頼感が悪化する公算が大きいと分析した。

「前向きな動きにはならない。それ以上はコメントしない」と語った。

 

参照:ロイター

 

 

スティーブン・ムニューシン財務長官

これとは別に、アメリカのスティーブン・ムニューシン財務長官は「今後再び、経済活動が停止されることはない」とコメントしました。(参照:CNBC

ムニューシン財務長官は「トランプ大統領の決定は勇気ある決断だった」としながら「我々はそこから多くのことを学んだ」と述べ「それ(経済活動の再停止)は現実的な選択肢とは言えない」と述べました。

 

彼は、来月にも予想されている「1兆ドル以上」の追加景気支援策は、主にコロナウイルス感染拡大に大きな影響を受けるであろうと予想される、ホテル、旅行、娯楽、レストラン業界に焦点を当て、「さらに対象を絞る」と繰り返し述べたそうです。

 

 

ところで11日(米国)のニューヨーク株式市場では、ダウ平均は急続落して取引が始まっていますね。

日本時間の深夜2時現在で、ダウ工業平均の下落幅が1,500ドルを突破しました。

商品市場も影響を受けており、ニューヨーク原油先物市場では、WTIで前日比8%安の1バレル36ドル近辺(日本時間深夜2時現在で35.95ドル)で取引されています。

 

 

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