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ワクチンを巡る対立、大統領選の焦点に

by 黒岩留衣
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新型コロナウイルス予防ワクチンに対する安全性や接種のタイミングを巡り、米国で党派対立が激しさを増しています。

大統領選は言うに及ばず、上院選の激戦州でも争点に急浮上してきています。

一方、ホワイトハウス内部では、トランプ大統領と保健当局者の間で深刻な不協和音が漏れ始めています。

 

ジョー・バイデン大統領候補をはじめ民主党関係者は、ドナルド・トランプ米大統領が選挙の投票日までにワクチンを開発するよう政治的圧力をかけており、科学的アプローチに準拠した徹底した治験を省略する恐れがあるとして懸念を示しています。

これに対して共和党は、ワクチンの信頼感を低下させることで国民の不安を煽っているとして民主党を攻撃しています。

 

 

一方、トランプ大統領はワクチン配布の時期を巡り保健当局者に公然と異議を唱えています。

水曜日、トランプ大統領は、早ければ今秋にも国民に対するワクチン接種が可能になるとの見方を表明しました。

ところがその数時間前、米疾病対策センター(CDC)のロバート・レッドフィールド所長は「来年に入ってもすぐには広く供給できる状況にはならないだろう」と発言し物議を呼びました。

 

トランプ氏は、ウイルスはすぐに消滅すると発言したことや、マスク着用に抵抗したこと、米国内の感染者数が多いのは体裁が悪いとして検査の実施を抑えるよう求めたことで批判を浴びてきました。

民主党のカマラ・ハリス副大統領候補はワクチンの安全性について「公衆衛生の専門家や科学者の言葉は信じるが、トランプ大統領の言葉は信用しない」と言明。

バイデン氏は水曜日、コロナワクチンの安全性について、トランプ氏の見解が信頼できるとは思わないと述べました。

 

コロナワクチンの開発を進める米国ファイザー社は今週、10月下旬までには第3フェーズ臨床試験の暫定結果が得られる可能性があると発表しました。

米国モデルナ社は11月かそれ以前に結果が得られるだろうとの見方を示しています。

 

The Washington Post

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