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ロシアの感染拡大が止まらない事情

by 黒岩留衣
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モスクワの技師であるヴァシリー・コロブストフ氏(37歳)が、covid-19の初期症状を自覚したとき、彼は家族とインターネットに相談しました。

しかし、彼はテストを受けたり病院に行ったりすることを避けました。

 

イゴール・シラーエフ氏(50歳)も、covid-19に感染した両親と共に救急車でモスクワの病院に行った時、咳や鼻水などの自覚症状があったにもかかわらず検査を受けませんでした。

シラーエフ氏は、両親に与えられたのと同じ薬を購入し、自分で治療しただけです。

これは、ロシア人にとってのDIY(通常は納屋や倉庫を自分で補修するときに使う用語)のもう1つの例でした。

 

ロシア人は一般的に医師や公立病院を疑っています。

世論調査は病院が無料ではあるが、信頼に値しなかったソビエト時代からの後遺症を部分的に示しています。

多くの人が自己診断と自己投薬を好みます。

つまり彼らにとって医者に行くことは事実上、最後の手段なのです。

 

国の保健システムへの根深い不信感は、社会的距離の確保とマスク着用に関する規則を無視する傾向と相まって、この国がウイルスの蔓延を食い止めるのに酷く苦労している理由への手がかりを提供しています。

ここ数週間、この国の感染者数は驚くべき勢いで垂直方向に向かって上昇しており、ほぼ毎日記録を破っています。

 

ロシアでは1日に17,000件以上の症例が見られ、その28%近くが無症候性です。

covid-19を故意に隠すことには厳しい罰則があり、場合によっては刑務所送りもありえます。

しかし、人々がいつ病気にかかったことを知ったかを判断することは困難です。

 

さらに、軽度の症状を持つ人々の多くは、強制隔離、スマートフォンによる接触追跡、および罰金の危険性に身を晒すことを避けようとします。

テストを避け、ソーシャルメディア上の友人にも同じことをするようにアドバイスしています。

4月、ロシアの医師であるアルテミィ・オコチン氏はFacebookに投稿しました。

「病院に入るのは病気そのものよりも危険な場合があります」

彼はテストが多数の偽陰性を生産していると警告し、検査を受けないように人々にアドバイスしました。

 

陽性のテスト結果が得られた場合、自宅検疫にかけられるリスクがあります。

ロシアのスマートフォンの感染追跡アプリは、特定の時間に特定の地理的条件を含んだ自撮り写真をアップロードできなかった場合、自宅にいることを証明することに失敗したとして厳しい罰金が科せられます。

これは病気で投稿することさえままならない多くの人々にも漏れなく適用されます。

 

抗生物質が店頭で自由に入手できるこの国では、ロシア人の約60%が自己診断して自分の薬を選択することを好むとタス通信は世論調査の結果を引用して報告しました。

約74%は症状が異常または深刻な場合にのみ医師に相談します。

 

昨年の世論調査機関の調査によると、この国の人々の医師への信頼度は2010年の54%から2017年には36%にまで低下しました。

これは、2019年1月のピューリサーチセンターの調査による米国の74%と比較するとき、鮮やかなコントラストを描きます。

 

「そもそもロシアでは開業医が不足しているために薬局に頼ることが多いのです」とモスクワ南部の街タルーサに住む心臓専門医兼医療ライターのマキシム・オシポフ氏は述べています。

「主に人々は自分で自分をケアします」と彼は言いました。

「タルーサでは、多くの薬剤師たちが患者の要求に対応しています」

「これはあなたの胃の薬です。これはあなたの心臓のための薬です。これは血圧用です。わかりましたか?」

モスクワの病院でcovid-19患者の世話をするボランティア

医師に対するロシア人の疑念はソビエト時代にまでさかのぼり、十分に訓練された医師の不足を考えるとき、それは理解できることだと彼は言いました。

また、人々は当局が国民の最善の利益のために行動するとは思っていないため、マスクの着用、社会的距離の拡大、検査を受けることについてのアドバイスを無視する傾向があるとオシポフ氏は述べました。

 

「私自身、感染した場合、当局による措置に関わりたくはありません」と彼は述べました。

「私個人の利益と医療システムや国の利益は同じではないので、私はできるだけそれを非公開にし、可能な限りそれらから距離を取りたいと思います」

 

さて、ここで前述したモスクワ在住の技師・コロブストフ氏の物語を続けましょう。

彼は原則として医師を避けています。

「インターネットはどのような新しい対処法が使用されているかを調べることができます」と彼は言いました。

彼と彼の家族は260万人のチャンネル登録者を抱える口ひげを生やしたYouTubeの医師エヴゲイニー・コマロフスキーをフォローしています。

 

コロブストフ氏は4月に発熱と頭痛を感じたとき、3日間寝室に留まりました。

彼の症状が消えた後、彼はテストを受け、検査結果が陰性だったときに安堵のため息をつきました。

しかし、すぐに彼の祖母が症状を示しました。

 

彼の91歳の祖母が床に倒れ、何時間も横たわったままであったとき、彼は仕事でアパートを出ていました。

数日後、彼女は病院に運ばれましたが、その2日後に亡くなりました。

彼女の死後、彼女はcovid-19と診断されました。

 

5日後、コロブストフ氏の母親であるエレナさんは症状を示しましたが、地元の診療所に行くことを拒否しました。

代わりに、家族は抗生物質と抗ウイルス薬をオンラインで調べて購入しました。

しかし、彼女の熱は治らず、コロブストフ氏は、このままでは母親まで失うかもしれないと恐れ、地元の診療所に電話をかけようとして2日間失敗しました。

「医者を呼ぶことは不可能でした」と彼は言いました。

彼は止むを得ず救急車を呼ぼうとしましたが、これも来ませんでした。

数日後、最悪の事態が通り過ぎた後、医者がついに姿を表し、喉の痛みを訴える母親のために喉薬を服用するように言いました。

 

「医者は何をすべきか全くわかっていませんでした」とコロブストフ氏は言いました。

「彼らは何のテストもしませんでした。彼らは愚かなソーシャルメディア監視アプリで彼女を追跡すると言って、その愚かな命令を出しただけです」

「医者が私にもたらしたものは、失望と無力感だけでした」と彼は語っています。

 

In Russia, sick people often treat themselves. That’s not helping in the coronavirus fight.

The Washington Post

ロシアの有名なナイトクラブの入り口では、店員が体温をチェックし、手指のアルコール消毒を促しているものの、それはあくまで当局に対する「アリバイ工作」であり、当局の囮捜査に対する警戒と監視要員であり、一度店内に入ると常連客は自由気ままに振る舞っていると英国紙ガーディアンが報告していました。

つまり、国民と保健当局の間には、ある種の相互不信と対立があるわけで、これではロシアの感染者数が収まるはずはないと呆れながら記事を読んだ記憶があります。

 

 

管理者 黒岩留衣

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