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バイデン政権のEV計画は時代遅れだ

by 黒岩留衣
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バイデン政権は、2兆ドルのインフラストラクチャパッケージの一環として、電気自動車の材料、製造、サプライチェーンに1,740億ドルを費やし、全国に50万台のEV急速充電ステーションを設置したいと考えています。
ワシントンの民主党員にとって、急速充電ステーションは明らかに優先事項です。

 

今年の初め、下院エネルギー・商業委員会は、大きな充電器の補助金をクリーンフューチャー法に盛り込みました。
また、超党派の上院議員グループは最近、EV急速充電ステーションの税額控除を1台あたり30,000ドルから200,000ドルに引き上げる法案を提出しました。

 

これまでの意図は良いのですが、こうした努力はアメリカを国際的な競争の後方に座礁させる可能性があります。
これは、EV充電の急成長する世界的な傾向、つまりバッテリー交換への移行を無視してしまっているためです。
このシンプルで、且つ強力なEV充電方法では、懐中電灯の電池を交換するのと同じように、ロボットを駆使して空になった電池を物理的に取り外し、完全に充電された電池と交換します。

 

ここアメリカで効率の悪い充電技術を成功させるのに苦労しているにもかかわらず、その方法はすでに中国や世界中の多くの場所でスクーター、電動人力車、EVの普及を推進しています。

 

バッテリー交換の概念は、電気自動車の頑強な課題である長い充電時間に対処するために、ハートフォードエレクトリックライトカンパニー(ゼネラルエレクトリックの子会社)によって110年前に考案されました。
EVバッテリーを車両から分離することにより、作業員はバッテリーをゆっくりと充電し、且つ、即座に消耗したバッテリーと交換することができ、EVの給油プロセスを劇的に加速させます。

 

しかし、1910年代までに、内燃機関はこの方法を時代遅れにしました。
そして一世紀の間、電気自動車はほとんど無視されていました。

 

今日、EVが復活しました。
多くのドライバーは、プラグを差し込んで待つことは優れたソリューションではないことを改めて学びました。
ほとんどの人は一晩充電を続ける場所すらありません。
これには、アパートの建物に住み、路上に駐車する多くの低所得のアメリカ人が含まれます。

 

また、国境を越えて旅行したり、生活のためにドライブしたりするために、すばやく充電する必要がある人は、ただ待っているだけで貴重な時間を過ごすことには耐えられません。

 

「急速充電」は誤った名前です。
バッテリーの充電にはまだ約1時間もかかります。
これでは実用的および経済的な課題のカスケードを作成してしまいます。

 

充電時間が長いということは、充電できる人、または充電することを選択する人が少ないことを意味します。
3月に行われた下院運輸インフラストラクチャーの公聴会で、急速充電器を運用するFlying Jトラックストップ(ハイウェイを通行する運転者達に燃料供給したり、旅の疲れを癒す場所として貢献してきた)のCEOは、利用率が「1%をはるかに下回っている」ことを認めました。
設置コストも運用コストも高いため、急速充電ステーションはガソリンスタンドよりもはるかに困難なビジネスであると言えます。

 

しかし、バッテリーの交換であれば事情が異なります。
電気自動車の充電にかかる時間の制約がなくなり、使用できる顧客の数が増えます。
利用者はバッテリー充電を待つ必要がないため、充電にかかる時間はそれほど重要ではありません。

 

また、バッテリー交換ステーションは本質的に大型のエネルギー貯蔵施設であるため、断続的な太陽エネルギーと風力エネルギーを捕捉して貯蔵することができます。
対照的に、高速充電ステーションは、電力をオンデマンドで供給するために、そのエネルギーの約60%は依然として天然ガスと石炭に依存するのです。

 

バッテリー交換の変革の可能性は、自動車のバッテリー交換インフラストラクチャを驚異的なスピードと大胆な規模で展開している中国で最も明白です。
中国は、米国の年間約3倍のEVを販売し、16倍の急速充電ステーションを備えており、すでに309,000台の急速充電器を製造しています。

 

しかも中国の自動車メーカーは、週に1,000万台をはるかに超える自動車に燃料を補給できるバッテリー交換ステーションの計画も公表しており、すでに約100万台の自動車をサポートできます。

 

中国のバッテリー交換ステーションの欠点は、依然として大きなロボットを使用して大きなバッテリーを交換していることです。
当然これらは高額な値札を誇っています。
さらに、バッテリーはブランド間で標準化されていないため、通常、1つのブランドの電気自動車でしか機能しません。

 

しかし、ここアメリカでは、すでに次世代のバッテリー交換インフラストラクチャが展開されています。
それはより小さく、より安く、そしてはるかに柔軟です。

 

サンフランシスコベイエリアのUberのドライバーは、我々の企業であるAmpleが構築したバッテリー交換ステーションを使用しています。
このシステムを広く実用化するためには、最新のEVに見られる巨大なバッテリーパックを排除し、さまざまな構成で簡単に積み重ねることができる、小さなレゴブロックのようなバッテリーに交換する必要があります。

 

つまり、このシステムならば事実上すべての電気自動車で機能することになります。
バッテリー交換技術へのさまざまなアプローチもヨーロッパで開発されています。

 

このような高速バッテリー交換システムは、現在、急速充電にのみ焦点を当てているバイデン政権のEV計画には含まれていません。
しかし、アメリカがそのカードを正しく選択し、プレイしさえすれば、ヨーロッパ・中国・インドでのEVの進歩から学ぶことができ、さらにはそれらを上回ることさえ可能であると信じます。

 

The Washington Post:2021年4月3日

 

リーヴァイ・ティルマンのコラムより

リーヴァイ・ティルマンは実業家であり、バッテリー交換会社であるAmpleの副社長です。


原題:Biden’s plan for electric cars is already outdated
引用:https://www.washingtonpost.com/outlook/biden-infrastrucuture-electric-vehicles-charge/2021/04/01/100f5466-9328-11eb-bb49-5cb2a95f4cec_story.html

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