北朝鮮は火曜日、大規模なスポーツイベントの実行可能性と安全性に対する懸念が高まり続けているため、コロナウイルスから選手を保護する必要性を理由に、東京オリンピックにナショナルチームを派遣しないと発表しました。
北朝鮮のスポーツ省の発表によりますと、7月に開幕する予定の、すでに延期されている大会から撤退した最初の国となりました。
この決定は主に、ウイルスを阻止するという北朝鮮の強い決意を反映していると見做されています。
北朝鮮は厳しい国境制限を課しており、公式にはウイルスに感染した者はいないと主張しています。
しかし、北朝鮮は、国内で危険な亜種による感染が爆発的に増加しているものと思われており、国内の予防接種キャンペーンが非常に稚拙である中、荒廃した夏季オリンピックから撤退する最後の国ではないかもしれません。
北朝鮮の経済は、制裁とパンデミックによる孤立によって荒廃しています。
同省は朝鮮スポーツのウェブサイトで、この決定は3月25日の北朝鮮のオリンピック委員会の会議で決定されたと述べました。
「委員会は、コロナウイルスによって引き起こされた世界的な健康危機からアスリートを保護するために、第32回オリンピックに参加しないことを決定しました」とコメントされています。
北朝鮮は、2016年のリオデジャネイロオリンピックで、主に重量挙げで、金メダル2個、銀メダル3個、銅メダル2個を獲得しました。
そのため、北朝鮮のオリンピック撤退がメダル争いに影響を与える可能性があります。
しかし、同時にまた、冬季オリンピックが3年前だったように、オリンピックが孤立した北朝鮮政権との対話を再開する良い機会を提供するかもしれないという韓国政府の政治的希望を打ち砕くものになりそうです。
北朝鮮と韓国の選手は、韓国の平昌で開催された2018年冬季オリンピックの開会式で団結した旗の下で一緒に行進しました。
一方、北朝鮮からの代表団には、国の支配者である金正恩の妹である金与正が含まれていました。
しかし、最近、北朝鮮はソウルやワシントンと話し合っておらず、オリンピックによる雪解けの希望はおそらく非現実的だったと言えましょう。
平壌の撤退は、パンデミックについてのある種の被害妄想を反映しているとも言えます。
北朝鮮は、莫大な経済的および人的コストを覚悟の上で、昨年初めに中国との国境を閉鎖することにより、貿易のライフラインを抑制しました。
一方で、世界各国でアスリートを日本に送ることへの懸念が同じように高まっており、北朝鮮の撤退の決定は大会にとって憂慮すべき前例となるかも知れません。
先週、国際ウォータースポーツ運営団体であるFINAは、主催者の計画について、専門家からの「非常に否定的な見解」を理由に、今月東京で開催される予定だったオリンピック予選イベントであるダイビングワールドカップをキャンセルしました。
「専門家の見解では、この計画は参加者の健康と保護を適切に保証するものではありません」とFINAは声明を発表したとBBCがレポートしました。
ワクチンプログラムが混乱しているため、日本はコロナウイルスの亜種を封じ込めるための新たな戦いに直面しています。
日本のメディアの報道によると、5月に開催される体操やアーティスティックスイミングのテストイベントも、海外からの参加者や関係者の旅行制限もあり、中止されました。
また、来週の水球テストイベントはキャンセルされました。
先月、控えめな形で始まった聖火リレーは、コロナウイルスの急増のため、地方自治体がキャンセルを要求した結果、大阪の西部の都市から離れてルート変更される予定です。
大阪と近隣の神戸市は、英国で最初に発見されたウイルス変異の温床となっており、これらの都市で最近検出された症例の約半分を占めています。
一方、東京では、E484K変異種に感染した症例が増加しています。
それは南アフリカとブラジルで最初に特定された亜種であり、いわゆる「eek」突然変異種は、ワクチンの効果をわずかに低下させると考えられています。
東京の病院は日曜日に、先月ウイルス検査を行った14人の感染者うち、10人が危険な「eek」変異を持っていたと発表しました。
テレビの集計によると、全国で1,000人以上がさまざまなウイルス変異を持っていることもわかりました。
日本はファイザー・ビオンテックのワクチンをわずか120万回接種したに留まっており、そのほとんどすべてが医療従事者に提供されています。
これは、人口100人あたり1回未満の投与量であり、先進国の中では最も展開の遅い国の一つです。
ワクチンに極めて慎重なアプローチを取っている厚生労働省は、他のワクチンの使用をまだ承認していません。
大会はすでに1年延期されており、先月、主催者は海外からの観客を禁止することを決定しました。
世論調査によると、日本人のほとんどの人が、この夏のオリンピック開催に否定的です。
ソウルからキム・ミンジュと東京から井沼ジュリアがレポートしました。
The Washington Post:2021年4月6日
原題:North Korea pulls out of Tokyo Olympics over covid concerns
引用:https://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/olympics-north-korea-japan-covid/2021/04/06/cafec75a-968b-11eb-8f0a-3384cf4fb399_story.html